今年も日本で開催されたK-POP授賞式「MAMA AWARDS」。そこで目の当たりにしたのは多様性そのものだった。
11月28・29日、東京ドームにてKPOP最大級の音楽授賞式「MAMA AWARDS」(Mnet Asian Music Awards)、通称MAMAが開催された。
K-POP最大級の音楽授賞式と呼ばれるMAMAは、CJ ENMが主催するアジア最大級の音楽授賞式だ。
1999年にMnet「映像音楽大賞」として韓国でスタートし、2009年に「MAMA」(Mnet Asian Music Awards)として進化を遂げ、マカオ、シンガポール、香港、ベトナム、日本とさまざまな地域で行われてきた。
その後、グローバル音楽市場の変化に合わせて、生まれ変わったMAMA。リブランディング後に初めて開催された昨年の「2022 MAMA AWARDS」は、京セラドーム大阪で開催され、大きな話題を呼んだ。
昨年に引き続き、今年も日本で開催と、日本全土に広がっていくK-POPの影響力をひしひしと実感させられる。
MAMA2日目の東京ドームを訪れてまず驚いたのは、男性ファンの多さだ。
これまで数々のK-POP関連のコンサートやイベントを取材してきたが、2日間で約4万人が来場した『KCON 2022 Premiere in Tokyo』でも現場で確認できた男性ファンは指で数えるほどだった。
MAMAがそれを超える大規模イベントだとしても、明らかにここ数年で男性ファンが増えているのだ。
ドームの周りには、スクリーンに映し出されるK-POPアイドルをスマホに収めるため沢山のファンが集まっており、やはり男性の姿も多く確認できた。
「友達から紹介されて、そこからすぐにハマりました」と語ったのは、神奈川県在住の20代男性Aさん。韓国好きの友人と2人でMAMAを訪れていた。推しているグループはLE SSERAFIM。J-POPとは異なる新鮮なビジュアルと曲のカッコ良さに惹かれたのだという。
「以前はTWICEも好きでしたが、今年日本の番組でルセラ(LE SSERAFIM)を見て、あまりの可愛さにK-POPブームが再熱しました!推しはカズハです」と嬉しそうに語っていたのは、ペンライトを片手に気合十分の横浜在住のBさん(10代)だ。
最近のK-POPグループは国際色豊かだ。Bさん曰く韓国に馴染みがなくても、日本人在籍メンバーがいると親近感が湧くのだとか。
K-POPにハマる理由は人それぞれ。兵庫県在住のCさん(20代)がK-POPを聞くようになったきっかけは新型コロナだという。
「元々、EXILEや三代目J SOUL BROTHERSが好きだったんですけど、2020年のコロナ禍でライブやイベントが次々に中止になってしまって。“たまには違う曲も聞いてみようかな”と思ってた時、勧められたのがK-POPでした。そこからどんどんハマってしまい…今日は(G)I-DLE目当てで来ました」
Cさんの友人のDさん(10代)も、「僕はセブチ(SEVENTEEN)とRIIZE推しです。ダンスの中毒性がやばいです!」と、チケット片手に満面の笑みを浮かべていた。
男性だからといって、応援するのは必ずしも女性アイドルというわけではない。男性グループのキレのあるダンスやパワフル歌唱力にグッとくるのだそう。
グッズ売り場の近くで一際目を引いていた埼玉県在住のEさん(20代)。彼もBTSグッズを大量につけた正真正銘の“男性ARMY”(BTSのファンネーム)だ。
「2年目に音楽番組で『Dynamite』を初めて聞いてから一気に沼落ちです。今日は一番好きなBTSには会えないけど、完全装備してきました!」と話す笑顔は眩しい。
——18時。MAMAが開演すると、4万人を超える観客が一気に歓声を上げた。
アイドルがステージに登場するたびに黄色い声が会場を包むなか、ところどころ聞こえるのは野太い声援だった。
「2023 MAMA AWARDS」は、今年のコンセプトとして「ONE I BORN(一つになる)」を掲げている。
会場を訪れたさまざまなアーティストと会場を訪れた観客は、国籍、年齢、そして性別の枠を超えて、一つになっていた。
(文=新井いるる)
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