K-POPは韓国政府の“道具”なのか?「世界ジャンボリー」お粗末行政の“火消し役”に転落した音楽業界

2023年08月10日 話題

韓国開催でトラブルが続出している世界スカウト大会「2023セマングム第25回世界スカウトジャンボリー」。同大会を締めくくる「K-POPスーパーライブ」の出演アーティストがようやく確定した。

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だが、隠すことができずにいる“雑音”が、興行面以前に未だ批判を巻き起こしている。

「世界スカウトジャンボリー」の一大イベントとして企画された「K-POPスーパーライブ」が、8月11日にソウルワールドカップ競技場で行われる。

開催を2日後に控えた9日、韓国政府・文化体育観光部と「世界スカウトジャンボリー」の組織委員会は、ライブに出演するアーティストのラインナップを発表した。

NewJeans、ZEROBASEONE、NCT DREAM、MAMAMOO、カン・ダニエル、ショヌ&ヒョンウォン(MONSTA X)、THE BOYZ、ITZY、クォン・ウンビ、チョ・ユリ、Holy Bang、Xikers、P1Harmony、Libelante、ATBO、KARD、fromis_9、TNXの計18組だ。

司会は俳優コンミョン、ITZYのユナ、NewJeansのヘインが務める。

(画像=KBS)「K-POPスーパーライブ」出演アーティスト

BTSまで巻き込まれた“迷惑行政”

豪華なラインナップが揃った「K-POPスーパーライブ」だが、K-POPファンの反応は冷ややかだ。

そもそも、「世界スカウトジャンボリー」に対する国内外の視線が良くない。

「世界スカウトジャンボリー」は世界スカウト機構が4年に一度開催する全世界の青少年によるキャンプフェスティバルだ。

韓国では1991年に江原道・高城郡(カンウォンド・コソングン)で第17回大会を行って以来、32年ぶりに国内で開催する大規模な国際イベントだっただけに、大きな期待を集めていた。

しかし、いざ大会が始まると、開催地の全羅北道・扶安郡(チョルラブクド・プアングン)のセマングム干拓地では記録的な猛暑による熱中症患者が続出。

さらにはずさんな対応、劣悪なキャンプ場の環境などが物議を醸し、全世界から批判を集めていた。

この過程で「K-POPスーパーライブ」の開催も難航を極めた。

当初、ライブは8月6日にセマングム野外ステージで開催する予定だった。

しかし、開催日当日の午後、急きょ日程が11日に延期となり、会場も全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場に変更となった。

ところが、これも台風6号の影響によって開催困難と判断され、最終的にソウルワールドカップ競技場へと再変更された。

混乱に混乱を重ねる準備過程はリアルタイムで生中継されるかのようにつるし上げられ、右往左往する行政は「お粗末」だとして世論の袋叩きに遭った。

そんななか、どうにか開催2日前にして出演アーティストが確定したわけだが、この間にBTS(防弾少年団)の出演可否も取り上げられた。

「世界スカウトジャンボリー」に対する批判の世論を静めるための救援策として、BTSのステージが必要だという意見が登場したのだ。

結局、BTSが出演アーティストに含まれることはなかったが、そのほか複数のアーティストを渉外する過程でも激しい批判の世論が巻き起こった。

(写真提供=BIGHIT MUSIC)BTS

人々が最も強く反発しているのは、K-POPが「世界スカウトジャンボリー」による“国の恥さらし”を鎮める妙策とみなされている状況だ。

主催側の不手際で浮き彫りになった批判に対し、謝罪や具体的な対応はなく、世界的人気を博すK-POPをエサに目の前の状況を免れようとしているからだ。

各自の領域で上手く活動していたアイドルたちを、政界がいつでも振り回せる棒のように武器として扱うことは、決して常識的な対応ではなかった。

このなかで、歌手ソン・シギョンの過去の発言が改めて注目を集めている。

ソン・シギョンは去る2021年5月、8thフルアルバム『ㅅ(シオッ)』リリース記念の記者懇談会で、K-POPのグローバル人気上昇傾向と関連した質問について、「目標のための音楽はあってはならないと思う」と発言した。

彼は「K-POPは自然に生まれ、自然に愛されている。それぞれの企画会社が頑張って上手く行ったことを、まるで我が国が企画したかのように接する姿が不便なときがある。“K-POPはこのような役割をしなければならない”というより、“自然にこのような役割をしている音楽がありがたい”という立場が良いと思う」と説明した。

音楽はただの音楽であり、K-POPも同じだ。

いつから「世界スカウトジャンボリー」において、コンサートがこんなにも重要なイベントになったのだろうか。

行く道を失った“お粗末行政”と、目の前の失態から免れようとする浅はかな救済策が、韓国の誇りだったK-POPを“手段の一つ”へと転落させた。

コンサートで揺れるのは観客の応援する思いが込められたペンライトであり、K-POPそのものではない。

(記事提供=OSEN)

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