無関係だったBTSやNewJeansまで…韓国で問題続出の「世界ジャンボリー」、K-POP界の足枷に

2023年08月09日 話題

世界的に愛されているK-POPであれば、地に落ちた国格も取り戻せると思ったのだろうか。

【関連】韓国の世界スカウト大会で発生した“性犯罪”とは?

連日、未熟な運営で周囲を失望させている韓国開催の世界スカウト大会「2023セマングム第25回世界スカウトジャンボリー」が、K-POPを最後の切り札として掲げ、事態の収拾を図ろうとしている。

不十分な大会準備のなか開催され、猛暑による熱中症患者が殺到した「世界スカウトジャンボリー」の問題が韓国芸能界をも襲った。

施設不足、安全対策などで叱責を受け、イギリスやアメリカなど一部参加国が早期に撤収するなど、不十分すぎる準備の実態が明らかになった。

さらには参加者に支給されたゆで卵からカビが発見され、キャンプ場内で性犯罪も発覚するなど、連日のずさんな対応で叱咤が相次いだ。

韓国議員がBTSに“SOS”も

問題だらけの「世界スカウトジャンボリー」が芸能界も襲ったのは、大会を締めくくる「K-POPスーパーライブ」のためだ。

当初、「K-POPスーパーライブ」は8月6日20時より約2時間、全羅北道・扶安郡(チョルラブクド・プアングン)のセマングム野外ステージで開催する予定だった。

しかし、現地の猛暑と参加者内での熱中症患者続出、安全事故の可能性が提起され、開催予定日だった6日当日に急きょ延期が発表された。

日程変更が発表されると、懸念されていた問題が次々と発生した。

まず、一部アーティストがスケジュールの都合で不参加の意思を表明した。これに伴い、出演アーティストの相当数が変更となることは明らかであり、大規模公演を開催できる会場を確保できるかも問題だった。

会場は当初、キャンプ場と同じ全羅北道にある全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で開催されると6日に公式発表された。

だが、台風6号「カヌーン」の上陸予想に伴い、最終的にソウルワールドカップ競技場での開催に再変更。お粗末すぎる行政にアーティストはもちろん、全州ワールドカップ競技場を本拠地とするプロサッカーチーム全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースや対戦相手も、突然の試合日変更を余儀なくされた。

会場は決まった次は、出演アーティストが問題になっている。一部でNewJeansの出演が確定したと報じられたことで、世界的人気を誇るグループの出演が噂されているのだ。

(写真提供=ADOR)NewJeans

K-POPスターたちが華麗なステージを披露すれば、今回の「世界スカウトジャンボリー」が成功裏に終わったと言えるのだろうか。

「終わり良ければすべて良し」とはよく言われるが、今大会にその言葉を適用することはあまりにも無理がある。

全世界的に、今回の「世界スカウトジャンボリー」は袋叩きに遭っている。

大会に参加した子どもを持つ保護者が『ガーディアン』『BBC』などの取材に応じたところによれば、「組織委員会が十分な食料、涼しい室内空間など、スカウトたちに必要な基本要求事項を充足させることができなかった」「韓国政府が全世界に謝罪することを願う」などと憤りをあらわにしていた。

このような否定的な世論を覆すために、韓国政府が取り出した切り札が“K-POP”だ。

一部では兵役中のメンバーもいるBTS(防弾少年団)までも動員し、ステージを飾るべきだという主張も出ている。

保守系与党「国民の力」のソン・イルジョン議員は8月8日、自身のフェイスブックで「国防部はBTSが国格を高められるよう、世界ジャンボリー大会で公演できるよう支援してください」という要請文を投稿した。

ソン議員は「大切なお客様たち(世界スカウトジャンボリー参加者)に対し、セマングムでの不足した日程を大韓民国の文化の力で満たす必要がある」とし、「国防部は11日、ソウルで行われるK-POPコンサートに、現在軍人の身分であるBTSが皆一緒に参加し、大韓民国の国格を高められるようあらゆる措置を取ってほしい」と“堂々”と要求し、逆風を浴びることになった。

BTS

K-POP公演はK-POP公演、謝罪は謝罪だ。

BTSが「K-POPスーパーライブ」に出演し、圧巻のステージで“挽回”して事態を収拾するのではなく、不十分な準備で問題を起こした当事者たちが凄絶に反省し、頭を下げなければならない。

今回のことを反面教師とし、今後は同じ事態が起きないよう準備をさらに徹底しなければならない。

だが、目の前の非難の世論を変えようと、入隊メンバーもいるBTSを“召喚”して「K-POPスーパーライブ」に出演させろという話はあまりにも無理がある。

「K-POPスーパーライブ」が、猛暑と不十分な準備によって苦しめられた「世界スカウトジャンボリー」参加者への良いプレゼントになることは確かだろう。

しかし、これによって韓国の国格が回復すると考えるのであれば、それは大きな誤算だ。

K-POPはどんな問題も解決できる“万能薬”ではない。まずは誠実な謝罪をし、再発防止対策を明らかにすることで、今後さらに良くなろうとする姿を見せなければならない。

(記事提供=OSEN)

韓国国会議員、BTSにSOS「兵役メンバーも一緒に参加して」

ソウルで“刃物事件”発生の誤通報…原因はBTSファンの「悲鳴」

韓国の世界スカウト大会で「カビの生えた卵」騒動

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集