今や“公開処刑”の場となった韓国音楽番組1位獲得後の「アンコールステージ」、aespaが絶賛されるワケ

2023年05月22日 K-POP #aespa

いつからか音楽番組のアンコールステージは、K-POPアイドルたちのライブの実力が試される“評価の場”という印象が強くなった。

【写真】「スタイル鬼」ウィンターの美脚SHOT

いくら音楽番組で1位になったとしても、大衆の評価は厳しい。不安定な音程でアンコールステージを披露したり、歌詞を間違えたりすると、数多くの非難が殺到する。

逆に安定したパフォーマンスでステージを消化すれば、そのグループに高い評価と称賛が与えられる。

「CDを食べたような歌声」

ガールズグループaespa(エスパ)が5月18日に放送されたMnetの『M COUNTDOWN』に出演し、3rdミニアルバム『MY WORLD』のタイトル曲『Spicy』で1位に輝いた。しかし1位を取ったことよりもさらに大きな話題を集めたのは、彼女たちのアンコールステージだった。

(画像=Mnet)『M COUNTDOWN』でアンコールステージを披露するaespa

1位獲得後、aespaはファンの前でアンコールステージを披露し、たしかな声量と音源と少しの誤差もない音程でライブを完璧に消化した。

そのアンコールステージはオンラインコミュニティ、YouTube、ツイッターなどで大きな話題を集め、aespaの前回のライブ公演も同時に注目されている。オンライン上では、「この声量、現実なのか?」「CDを食べたような歌声」「胸がすっきりする」「これがライブだよ」「レベルが違うね」と称賛のコメントがあふれた。

aespaファンだけでなく、他のアーティストのファンからも絶賛されている。

地上波とケーブルテレビの音楽番組は大部分が生放送で進行されるため、ほとんどの出演陣がボーカルおよびコーラスの録音が含まれたARを使用する。事前収録を進めるケースも多いが、K-POPグループの特性上、難易度の高いパフォーマンスのためにコーラスやエコーが必須的に使われる。

しかし音楽番組で1位を受賞した後に続くアンコールステージは、ボーカルおよびコーラスの録音がすべて除去されたMRだけが提供され、メンバーのライブの実力がそのまま現れる。さらにアンコールステージでは、パフォーマンスよりもファンと目を合わせたり、1位の公約を遂行したりするため、本ステージよりもさらにボーカルに関心が集まる。一時はオンラインユーザーが制作した「MR除去」動画が多くの話題を集めたりもした。

aespa

だから音楽番組のアンコールステージが、アイドルのライブにおける“評価の場”に変わり、「1位は罰ゲームではないか」という話まで出ている。ファンに祝ってもらって楽しむ場ではなく、ダンス歌手の歌唱力を評価される舞台となり、アイドルにとっては解決しなければならない“宿題”とされているのだ。

実際に不安定な実力で議論となるアイドルも続出し、アンコールステージで緊張した姿を見せたり、自分の実力を隠すためにふざけた様子でライブを避けたりするアイドルメンバーをしばしば見ることになる。

しかしaespaは、緊張した姿を見せることもなく、1位にふさわしい実力を誇ってさらに注目されている。

『M COUNTDOWN』後も、5月19日のKBS2『ミュージックバンク』で1位に輝いたaespaは、アンコールステージで青唐辛子を食べるパフォーマンスをしながらも爆発的な声量とラッピングを披露。また5月20日のMBC『ショー!音楽中心』で1位を達成した後も、余裕のあるリラックスした雰囲気で自分のパートだけでなく、アドリブまで披露するプロらしい姿で感嘆を誘った。

(画像=KBS2)『ミュージックバンク』のaespa

ファンらは「ライブが上手いのでずっと探して見てしまう」「もうアンコールライブを本当に楽しみながらやってるね。見栄えが良い」「実力でファンを元気づけるaespa」「ウィンターのライブは声量がズバ抜けている」との良い反応を送った。

第4世代で抜けた実力の持ち主

そもそもaespaは、K-POP界の勢力図を塗り替えている第4世代ガールズグループの中でも、一番先に注目されたグループだ。

大手芸能事務所SMエンターテインメントに所属という背景もあるが、韓国初の“メタバースガールズグループ”という独特の世界観で、従来のガールズグループとは明確に異なる音楽とコンセプトで注目され、第4世代ガールズグループの時代を切り開いた。

10カ月ぶりにカムバックしたaespaにとって、今回の活動は重要な分岐点だった。aespaの空白が続いた期間、IVE(アイヴ)、LE SSERAFIM(ルセラフィム)はさらに成長し、第4世代ガールズグループの伏兵であるNewJeansまで加わり、aespaの地位が危うくなるのではないかという懸念混じりの声も出ていた。

(画像=MBC)『ショー!音楽中心』でも1位に輝いたaespa

しかしaespaは今回のアルバムを通じて、これまで固守してきた「KWANGYA(クァンヤ/荒野・広野)」から抜け出し、現実世界に戻り、これまで見せなかった清涼な音楽と“SMらしさ”まで加えた。

今回のアルバムは初動(発売日から1週間の販売量)169万枚(HANTEOチャート基準)を突破し、歴代K-POPガールズグループの初動記録を更新し、NCT 127が作ったSMエンタ所属アーティストの最高記録も塗り替えた。

ここに華麗な美貌とパフォーマンス、独特な世界観に隠されていたしっかりとしたライブの実力まで証明し、第4世代ガールズグループのなかでも特別な地位を築いている。

とあるK-POP界の関係者は、「歌手にとってライブは当然のことであり、歌を上手に歌えることは必須条件だが、アイドルたちのアンコールステージに対する心配と負担感がますます大きくなる雰囲気だ。1位アンコールの密着カメラ映像が上がってきて、もしミスをしたり、実力不足が見えたりすると、数多くの悪質なコメントに苦しめられたりもする」と述べた。

(写真提供=SMエンターテインメント)aespa

そして「いくら世代が変わったとしても、“歌手は歌が上手くなければならない”という大衆の視線は変わらないことを示す部分だ。K-POPグループの足りないライブ実力問題が繰り返されれば、パフォーマンス以外はないという汚名を着せられることもありうる」と説明した。

また最近、新人グループをローンチした企画会社の関係者は、「デビュー前の練習生の頃からパフォーマンスだけでなく、ライブの練習も着実に並行しており、練習時間も増やしている」とし、「パフォーマンスが強いK-POPグループがライブの実力まで優れていれば、むしろグループの武器になるため」と付け加えた。

5月21日のSBS『人気歌謡』でも1位のトロフィーを手にし、有終の美を収めたaespaは、再び海外へと向かう。aespaはK-POPグループとしては初めて、カンヌ国際映画祭の公式パートナーであるショパールの公式アンバサダーとして「第76回カンヌ国際映画祭」のレッドカーペットに立つ。

また6月10日には、米ニューヨークで開かれる「ガバナーズ・ボール・ミュージック・フェスティバル2023」のメインステージで公演する。8月からは本格的な米州・欧州ツアーにも乗り出す。

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