「永遠という言葉は砂の城」(『eight(Prod.&Feat. SUGA of BTS)』より)と歌った歌手IU(アイユー)とBTS・SUGAが再会し、「知ってるだろう、永遠は砂の城」(『People Pt.2 (feat. IU)』より)と繰り返す。
【写真】「ドキッ!」SUGAとIU、“手の大きさ比較”に悶絶
1993年生まれの同い年で、K-POP界を代表するアーティストであるBTS・SUGAとIUの再会は、本当に待った甲斐があった。
喪失、愛、悲しみ、恐怖。普遍的なテーマに対する彼らの考察は、20代後半を過ぎて30代に突入してさらに鋭くなり、さらに重みを持った。それだけに深く余韻も残る。
去る4月7日に発表された『People Pt.2 (feat. IU)』は、SUGAが「Agust D」という名前で出すソロアルバム『D-DAY』の先行公開曲だ。
過ぎてしまえば無駄に見えるが、絶えず繰り返される人の関係と感情を解きほぐしたBoom Bapリズム中心のポップR&Bジャンルの曲で、SUGAが2020年5月に公開した2番目のミックステープ『D-2』の収録曲『People』の続きでもある。
「喪失はなぜ悲しいのだろうか、実は怖いことが悲しいんだ」
歌の始まりと同時に登場するIUの切なく澄んだ歌声は、リスナーの心を掴むに十分だ。続く、安らかに吐き出すようなSUGAのラップは、喪失の感情を率直で淡々と盛り込んだ歌詞の真正性を高める。
ミュージックビデオの最後にSUGAは、「人々に伝えたい話もあるが、僕自身に話しているように聞こえるという話をたくさん聞いた」とし、「新型コロナでいろいろなことができないとき、すべてを失ったと思いながら書いた曲」と紹介して余韻を残した。
「すべてが勝手に来て挨拶もせずに去る」
リズムと曲の雰囲気は違うが、この考察は3年前にSUGAとIUが初めて呼吸を合わせた『eight(Prod.&Feat. SUGA of BTS)』とも一致する。安らかに聞こえるが、歌詞を噛み締めてみると、なぜか泣きそうになる感情が押し寄せてくるというのが共通点だ。
2020年5月、SUGAがプロデューシングとフィーチャリングに参加した『eight』は、28歳(韓国の数え年)の話を告白する内容だった。モダンロックサウンドの明るい雰囲気に、苦々しいが共感できる歌詞が印象的だった。
SUGAとIUは、すでに一度コラボで驚くべき成果を残したことがある。『eight』は発表されるや否や熱い人気でMelonをはじめ、Genie、Bugsなど韓国主要音源チャートの1位を記録した。発売から3年が過ぎた現在も人気は相変わらずだ。Spotifyでストリーミング再生回数1億回も突破した。
そのバトンを『People Pt.2』がつないでいる。『People Pt.2』は、日本のオリコンチャート「デイリーデジタルシングルランキング」で1位に。また、全世界87の国や地域のiTunes「トップソング」チャートで1位を記録し、YouTube再生回数も公開3日で1000万回を超えた。
お互いの作品をフィーチャリングしながら支え合い、温かい音楽的な交流を続ける2人の“相互扶助”は、見る人々を応援させる。意味のよくわからない歌詞と華麗なビート、リズムが主流を成す「最近の音楽」があふれるなかで、2人の作品は干天の慈雨だ。
自分の考えと感情を思考し、盛り込んだ“シンガーソングライター”であるIUとSUGAの音楽は、スターではなく人間「イ・ジウン」と「ミン・ユンギ」を垣間見ることができるという点で、さらに意味があり特別だ。
「愛は愛で完璧なのか」「欲を捨てたら幸せになれるのか」
3年が経って30代を迎えた2人は、依然として疑問符の中にいる。揺れて傷つく青春の真ん中に立っているが、ひたすらその時間に向き合って立っている。“成長痛”を経て再会した2人の「その次」がさらに待ち遠しい理由でもある。
◇IU プロフィール
1993年5月16日生まれ、本名イ・ジウン。韓国・ソウル出身。2008年にソロ歌手としてデビューした。芸名のIU(アイユー)は“I”と“YOU”の合成語で「あなたと私が音楽で1つになる」という意味が込められている。女性ソロ歌手としてトップに君臨しつつ、女優業も並行。2011年のドラマ『ドリームハイ』で連ドラ初出演&初主演を果たし、『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』などで主演を務めた。
◇SUGA プロフィール
1993年3月9日生まれ。本名ミン・ユンギ。2010年に所属事務所Big Hitエンターテインメント(現HYBE)が開催した「HIT IT AUDITION」で2位合格し、練習生に。2013年にBTSのメンバーとしてデビューした。グループ内ではリードラッパーを担当しており、BTSの一員として活躍する傍らで、高い作詞・作曲・編曲の実力をもって音楽プロデューサーとしても人気を集めている。
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