オーディション番組の投票結果を“いじった”人物を再入社させた韓国大手エンタメ企業、世論悪化で窮地

2023年04月11日 話題

「会社は“業務効率化”という名目で青春を捧げて働いた職員たちに辞めろという。10~20年を見据えて組織のビジョンを提示しても足りない状況で、誰が会社のために働くだろうか」

【写真】本当ならデビューできていた…“不正投票”の犠牲者たち

韓国の大手エンターテインメント企業であるCJ ENMの在職者の言葉だ。

最近、強力な構造調整と組織改編を断行中のCJ ENMが、ケーブルテレビMnetの看板オーディション番組『PRODUCE』の不正投票事件で実刑を言い渡されたアン・ジュンヨンPDとキム・ヨンボムCPを再入社させて議論が巻き起こっているなかで、構造調整を一時中断したことが確認された。

4月10日、CJ ENMの前・現職の関係者らによると、会社側は先日まで業務効率化の名目で構造調整を断行した。具体的には10年以上の一部在職者に辞職を勧告し、「3カ月+勤続年数×0.6カ月の基本給」という条件を提示したという。

アン・ジュンヨンPD

しかしアン・ジュンヨンPDの再入社が外部に知らされ、世論が悪化すると、構造調整を一時中断。犯罪行為で実刑を言い渡された人物を再入社させる状況で、構造調整を進めるのは誰が見ても不条理な状況であるためだ。

優秀なPDがライバル社に流出中

CJ ENM側から退職勧奨の提案を受けたある在職者は、「会社側が組織改編後、人事と関連した業務を“なかったこと”で揉み消した」とし、「だが、すでに社内の雰囲気が悪化するほど悪化したため、退職勧奨の提案を受けた在職者の間では“受けられるときに慰労金でも受け取って去ろう”という雰囲気が広がっている」と耳打ちした。

先立ってCJ ENMは、『PRODUCE』シリーズの生放送投票操作事件で実刑を宣告されたアンPDとキムCPを出所後、再び入社させて議論の中心に立った。

キム・ヨンボムCP

アンPDは2019年に放送されたオーディション番組『PRODUCE 101』の生放送中に、視聴者による有料文字投票の結果を操作し、特定の候補者に恩恵を与えた疑惑で2021年に懲役2年を宣告され、実刑を言い渡された。裁判の過程で、アンPDが芸能事務所関係者たちから接待を受けていた事実まで明らかになった。

当時、番組の責任者だったキムCPも同様の容疑で実刑を言い渡されたが、2021年7月に出所し、現在はCJ ENMのグローバルプロジェクトを陣頭指揮している。

CJ ENMの就業規則には、前科の記録と関連した義務条項はないと知られた。ただ内部では2019年当時、CJ ENM側は会社に被害を及ぼしたとし、2人を業務妨害および背任で告訴した。今回、これを覆す決定をしたことに対して疑惑の視線が送られている。

結果的に2人の再入社は、当時の会社の告訴および獄中生活が“トカゲの尻尾切り”、または“見せかけ”である証拠という指摘が続いている。実際に不正操作事件の最終責任者だったシン・ヒョングァン音楽コンテンツ本部長は、今年2月までCJライブシティの代表理事を務め、現在は音楽事業部に復帰した。

(写真提供=OSEN)オーディション番組『PRODUCE』シリーズを通じて誕生したIZ*ONE

内部ではオーナー一家や経営陣に対する懐疑心も広がっている。CJ ENMの強力な構造調整は、ク・チャングン代表が昨年末の就任後に始まったという。

最近、音楽事業部で諮問役を務めている歌手兼演技者のイム・スルオンに対する視線もある。イム・スルオンはオーナー一家の厚い信任を得て、諮問役をしているという。「内部人材は整理しながら外部人材を輸血するアイロニー」という自嘲的な声が出てくる理由だ。

CJ ENMは2022年1月、ハリウッドの制作スタジオであるエンデバーコンテンツの株式80%ほどを9300億ウォン(約930億円)で買収した。これによって流動性の危機が深刻化したなかで、グローバルな成果が芳しくないため、直ちに人材の削減に突入した。会社側の経営失敗を構成員に回す格好だという批判が出ている理由だ。

会社が動揺し、CJ ENM内のスターPDたちはすでに多くが他社に移籍した。イ・ジンジュ、キム・ミンソク、パク・クンヒョン、チョン・ジョンヨン、イ・テギョン、チョン・ヒョミンPDなどが、JTBCをはじめとするライバル会社や独立レーベルに籍を移した。人的資源が何よりも重要なコンテンツ制作組織から人材が次々と抜け出ているわけだ。

CJ ENMはアンPDの再入社と関連してマスコミに頭を下げたが、殺到する批判を避けるものと予想される。すでに会社側が労働者と勤労契約を結んだだけに、「否定的な世論」だけで契約を解約することはできないためだ。

CJ ENM側は、アンPDを制作の第一線ではなく、社内の他の部署に人事異動させる案などを模索しているという。

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