発言する度にコン・ユの人間性が如実に見えてくる!

コン・ユは決して饒舌な人間ではないが、彼が静かに語る言葉には人間性があふれている。そこで、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』から『82年生まれ、キム・ジヨン』までのコン・ユの発言を振り返ってみよう。

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まずは、『トッケビ』に出演を決めた当時のことをコン・ユはこう振り返った。

「私は、テレビドラマから何年も離れていました。良いお話はたくさんいただいたのですが、個人的に自信が持てなくてドラマの出演を断ったことがありました。実際に、ドラマより映画に興味を示したことも事実です」

しかし、コン・ユは『トッケビ』への出演を決断した。

「『トッケビ』で撮影した日々は、私にとってとても大切な時間でした。『コーヒープリンス1号店』のときと同じ充実感を感じることができました。そういう意味では、この10年という時間は決して無駄ではなかったと思います。この『トッケビ』は、私の30代を飾る作品としてずっと心に残っていくことでしょう」

コン・ユがこう語るとおり、『トッケビ』は彼にとって忘れられない作品になった。

2017年5月に行なわれた百想芸術大賞の授賞式でコン・ユはテレビ部門の男性最優秀演技賞に輝いた。そのときのコメントが印象的だった。

「この場に立つのが怖かったのです。いろいろな人生を生きてきましたが、いまは混乱しています」「私がどこにいて、私が誰なのか、私はいまどこへ行こうとしているのか……」

まるで「迷える小羊」になったかのようなコン・ユの言葉。晴れの授賞式にふさわしくないかもしれないが、自分を飾らずありのままに表現するのがコン・ユらしい。

そんな彼が自らの感情を吐露したのが2019年9月30日にソウル市内で行なわれた『82年生まれ、キム・ジヨン』の制作発表会だった。

その場でコン・ユはこう語った。

「シナリオを初めて読んだときには、家族のことを思い、かなり泣きました。特に母のことが多く思い出され、電話をかけて『子供を育てるときに苦労したでしょ』と声をかけました」

シナリオを読んで泣いたコン・ユは、その気持ちを忘れずに『82年生まれ、キム・ジヨン』と向き合った。その末に、彼はどんな手応えを得たのか。

コン・ユはこの映画について次のようにも語っている。

「自分の声を出せなかった女性が、自分の声を出すことができることに感謝しました。それは、自分も一人の人間として世の中に伝えたい話です」

この言葉が持っている奥深さを考える。

コン・ユが世の中に伝えたいこと……それが『82年生まれ、キム・ジヨン』という映画の演技に込められていることがよくわかる。

(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
 

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