麻薬投薬の疑いが持たれている俳優ユ・アイン(本名オム・ホンシク)が生体成分検査の結果、大麻成分が検出されたなかで、過去2年間に100回以上も睡眠麻酔剤プロポフォールを投薬していたことがわかった。
プロポフォールは化学合成で開発された睡眠麻酔剤の一種で、韓国では食品医薬品安全処が2011年から麻薬類として指定管理している。専門医の処方による医療用に限ってのみ、合法的な投薬が可能だ。
報道によると、2月27日、ソウル警察庁・麻薬犯罪捜査隊は食品医薬品安全処からユ・アインのプロポフォール投薬状況について回答を受けて調査している。
それによると、ユ・アインは2021年から2022年まで、計100回以上のプロポフォールを投薬した。先立って食品医薬品安全処は、ユ・アインが2021年の1年間、73回にわたって4400ml以上のプロポフォールを処方されたと明らかにしたことがある。
食品医薬品安全処は、簡単な施術のためのプロポフォール投薬回数として月1回を超えないことを勧告している。また、一日10mgを超過して処方してはならず、治療期間は4週間を超えないようにしなければならない。
特にプロポフォールは誤用・乱用の可能性が高い薬物であるだけに、施術・手術または診断と関係なく単独で投薬してはならない。
しかしユ・アインは、2021年には1カ月平均6回、2022年は1カ月平均2回の割合でプロポフォールを投薬した。これは食品医薬品安全処が簡単な施術を基準に勧告した投薬容量と回数をはるかに上回る数字だ。これを受け、警察は常習投薬に重点を置いて調べている。
先立って警察は、食品医薬品安全処からユ・アインが複数の病院に通い、プロポフォールを常習的に投薬してきた状況があるという依頼を受け、捜査に着手した。
ソウル警察庁・麻薬犯罪捜査隊は去る2月5日、ユ・アインが米ロサンゼルスから帰国した直後、彼の小便や毛髪などを採取し、国立科学捜査研究院に鑑定を依頼して略式で調査した。
国立科学捜査研究院の鑑定の結果、ユ・アインの尿から大麻の陽性反応が出た。また毛髪精密鑑定ではプロポフォールと大麻の他に、第3の麻薬類成分も検出された状態だ。
現在、警察はユ・アインにプロポフォールを常習的に処方していたと疑われる病院・医院を家宅捜索し、調査中だ。またユ・アインの携帯電話2台を押収し、デジタルフォレンジック作業を進めている。
警察はユ・アインを被疑者として召喚し、常習投薬の有無や投薬経緯などについて調べる予定だ。
なおユ・アインは現在、Netflix映画『勝負』(原題)、『ハイファイブ』(原題)、シリーズ『終末のフール』(原題)などの公開を控えているだけに、作品に対する影響も注目されている。
◇ユ・アイン プロフィール
1986年10月6日生まれ。韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名になる。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、様々なドラマや映画で助演を務める。2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮し、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』『#生きている』などの話題作に出演して活躍している。
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