先日最終回が放送された『財閥家の末息子』(原題)がなかったら、今年最高視聴率を記録したドラマは『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』だった。『財閥家の末息子』が最高視聴率26.9%を記録し、17.5%を記録した『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は1位の座を明け渡すことになったが、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が残した感動は『財閥家の末息子』以上だった。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のウ・ヨンウは、女優パク・ウンビンだからこそ可能だった。制作陣が1年以上もパク・ウンビンを待っていた理由が簡単に納得できた。
パク・ウンビンは細かいディテールまで完璧な演技で、キャラクターが持つ力を最大化させた。見る人たちが自然にウ・ヨンウを受け入れ、応援し、愛せるように表現し、毎回好評を得た。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の初放送の視聴率は0.9%に過ぎなかったが、第7話で11.7%を突破し、最終回は自己最高の17.5%を記録した。パク・ウンビンの活躍で、“弱小チャンネル”だったENAは、一気に名前を知らせ、存在感を高めた。
昨年、ドラマ『恋慕』で男装した女性世子役を演じ、“人生キャラクター”を作ったパク・ウンビンは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のウ・ヨンウで再び人生キャラクターを更新し、韓国を越えてアジアを代表する女優に生まれ変わった。
『財閥家の末息子』は、俳優イ・ソンミンが死ぬ前と後に分かれる。よっぽどのことでなければ、視聴者たちが「イ・ソンミンの演技を見るためにドラマを見る」というだろうか。
イ・ソンミンは『財閥家の末息子』で俳優人生を代表するような演技を披露し、ドラマのヒットを導いた。イ・ソンミンが熱演した“チン・ヤンチョル”の死が描かれる第13話は視聴率22.5%を記録し、せん妄症状の中でも「ドジュンは私の孫だ」と笑うシーンが盛り込まれた第14話は24.9%を示した。
先立って映画『リメンバー』(原題)で老人の演技をしたことがあるイ・ソンミン。彼は『財閥家の末息子』で、さらにアップグレードされた演技で視聴者を没頭させた。登場そのものからカリスマ性あふれる財閥グループ会長のチン・ヤンチョルそのものだったイ・ソンミンは、冷徹さを持ったグループ会長でありながらも、孫をひどく大事にする祖父を行き来しながら熱演した。
方言の演技から、実際の財閥総帥を見るような錯覚を起こす吸引力のある演技が『財閥家の末息子』の興行を導いた。チン・ヤンチョルが死亡した後、2週間連続で話題性が減ったことも、イ・ソンミンの活躍がどれほどすごかったかを証明する。俳優ソン・ジュンギと共に『財閥家の末息子』を率いたイ・ソンミンは、来年度の百想(ペクサン)芸術大賞でも有力な受賞候補に見える。
ユジンはバラエティ番組『ピョンピョン地球娯楽室』(原題)の最高のアウトプットだ。
ガールズグループIZ*ONE、そして現在はIVE(アイヴ)として活動しながら多くの愛を受けているユジンが、これまでバラエティ番組に出演したことがなかったわけではない。だが『ピョンピョン地球娯楽室』を通じて、ステージだけでなく、バラエティでも自分の役割を十分に果たしているという点を証明し、“万能エンターテイナー”に生まれ変わった。
ユジンについてナ・ヨンソクPDは、「こんなことになると思って出演を依頼したのではない」と話したことがある。事実、『ピョンピョン地球娯楽室』にはイ・ウンジ、イ・ヨンジなど、すでにバラエティで検証された笑い“チートキー”があるため、ユジンがそこまで前に出て笑わせる必要はなかった。
ナ・ヨンソクPDの当初の考えも同じだろうが、ユジンはナ・ヨンソクPDの考えを打ち破る姿を披露した。
「ホグたちの監獄生活」を通じて番組内のプレーヤーとしての競争力を十分に証明したユジンは、それこそ“澄んだ目の狂人”だった。純粋な雰囲気だが、高いテンションのユジンを止めることはできなかった。
流行り言葉を間違って書いたナ・ヨンソクPDに、躊躇なく「ブー!」を叫ぶ19歳の姿からは、これまで見られなかったキャラクターが見えた。ユジンの活躍で『ピョンピョン地球娯楽室』は高い話題性を記録し、最高視聴率3.8%を記録して多くの人々に笑いを提供した。
センスあふれるリアクションとギャップのあるバラエティ力で“芸能界のブルーチップ”に浮上したユジンが、2023年にはどんな活躍を見せるのか期待される。
(記事提供=OSEN)