『チアアップ』は、輝かしい歴史を残して滅びつつある大学応援団に集まった若者たちの熱くクールなキャンパスミステリーロマンチックコメディだ。チャン・ギュリは劇中、ヨンヒ大学校応援団の副団長“テ・チョヒ”を演じた。
アイドル出身らしく、洗練されたダンスはもちろん、キャラクターのガールクラッシュな魅力を見事に表現して好評を博した。
チャン・ギュリは、「チョヒそのもの」といった反応が記憶に残るとし、「監督がチョヒと似た部分が多い人を探していた。私がチョヒに対する考えを申し上げたのだが、言葉遣いや単語の選択が気さくで爽やかだとおっしゃった。そんな部分をチョヒのようだと感じられたようだ」と、キャスティングの背景を伝えた。
『チアアップ』はいくつかのシーンがオンライン上で話題となり、口コミで広がって若い視聴者からの人気を集めた。そのシーンのひとつは、テ・チョヒが元彼を直接懲らしめる場面だった。「私は人を殴らない」と冗談を言ったチャン・ギュリは、そのシーンだけで20回近くも撮影したと打ち明けた。
「そのシーンを撮ろうとアクションスクールで2~3時間ほど呼吸を合わせて学んだ。本当に難しかった。正確に体がどこを通らなければならず、頭がどこを回らなければならないのかといったことが難しかった。NGがかなり出た。元彼を演じた俳優さんは、実際に殴られたのだ。ゼリーを差し上げて、申し訳ないと伝えた」と話した。
はっきりしているが、悪い男だけにたくさん出会ったテ・チョヒの成長ポイントは“恋愛”だ。テ・チョヒは一様に純粋な愛を送ってくれる“イム・ヨンイル”(演者キム・シンビ)を最後に受け入れ、さらに一歩成長する。しかし彼らの叙事が作品で詳細に扱われず、2人の関係が説得力を持つためには俳優たちの呼吸が重要だった。
これについてチャン・ギュリは、キム・シンビとの“学縁”を公開した。
「シンビさんが私は学校(ソウル芸術大学校)の同期だ。監督は知らずにキャスティングされたのだった。とても不思議だった。シンビさんが座るやいなや、チョヒは誰が演じるのかと聞いたというが、私もそうだった。監督が“君が知っている人”とおっしゃった。“シンビさんがなんでそこから出てくるの”といった感じだった。こうやって会うとは思わなかった。シンビさんは“情熱マン”だ。演技に対するときも純粋だ。純粋なヨンイルに似ている」
作品で直面した“伏兵”は、意外にも応援団の振り付けだった。アイドルメンバーのなかでもダンスの実力が優れているチャン・ギュリは、「まったく違うダンスだと感じた。ガールズグループのダンスはきれいに見せることが重要だ。応援団のダンスは目的が違う。ガールズグループの雰囲気をなくすのに苦労した」と打ち明けた。
一番楽しみながら撮影したという『今夜一晩中』の舞台フェイスカメラに対しては、「チッケム(1人のメンバーを追って撮った動画)は二度とないと思っていた。ファンがとても喜んでくれた」と笑った。
チャン・ギュリは、2018年のオーディション番組『アイドル学校』(Mnet)を通じて結成されたグループfromis_9でデビューした。それから約4年後の今年7月にグループを脱退し、8月に俳優マネジメントを専門とする芸能事務所JUSTエンターテインメントと契約した。
大衆にとってチャン・ギュリの脱退は突然のことだったかもしれないが、彼女はグループが安定的な軌道に乗ったとき、自ら進む方向を再調整しただけだった。
「fromis_9として活動しながら、メンバーたちと本当に多くのことを成し遂げた。最後の活動の時は音楽番組5冠に輝き、キャリアハイを達成した。“今こそ心の片隅にあった夢に挑戦しても良いのではないか”、“一歩後ろでメンバーたちを応援する気持ちで見守っても良いのではないか”という考えだった。ファンが受ける傷が一番心配だった。それでも5年間、最善を尽くした。これからもどんな場にいても、最善を尽くす姿をお見せするつもりだった。だからどんな反応でも淡々と受け入れる覚悟をした」
チャン・ギュリとfromis_9メンバーたちの関係は、依然として堅固だ。「メンバーたちとは未だに同じショップに通っている。それでよく出くわしたり、連絡をしたりもする。メンバーたちが『チアアップ』をよく見ていると応援もしてくれた。ただ、あまりにも違う領域で各自の仕事をしているので、今すぐフィードバックすることは慎重だ」と伝えた。
チャン・ギュリは女優として望むキャラクターとして、映画『建築学概論』の“ソヨン”(演者ペ・スジ)、ドラマ『星から来たあなた』の“チョン・ソンイ”(演者チョン・ジヒョン)などを挙げながらも、「やったことのないことは全部やってみたい。毎日やってみたいことが変わる」と意欲を燃やした。
情熱にあふれる彼女のロールモデルは、ガールズグループM.I.L.K出身の女優ソ・ヒョンジンだ。
「アイドル出身俳優の先輩たちが私の行きたい道を先に作ってくださったので、自分もこのような夢を見ることができたと思う。そのなかでもソ・ヒョンジン先輩が本当に好きだ。様々なキャラクターを演じ、どんなキャラクターでも常に演技力で認められている。私もそんな俳優になれるよう努力する」