“兵役問題”で事実上、韓国芸能界から引退、あるいは引退直前まで追い込まれた代表的なK-POPスター2人がいる。
ユ・スンジュン(42)とMCモン(本名シン・ドンヒョン、40)だ。
【写真】「えっ、そんな理由で?」兵役を免除された20人の韓国芸能人
くしくも2人は最近になって再び注目を集め、“世論の試験台”に上がった。2人に注がれる視線や状況は一見、似ているように思えるが、今後の課題は180度違う。
とあるテレビ関係者は、「ユ・スンジュンとMCモンは置かれている環境が異なるだけでなく、“兵役問題”に対する態度も違う。まだ法的な判決が出ていないユ・スンジュンは、口を開いて釈明するほど議論が広がる局面だ」と指摘した。
また「世論を変えるには、力不足と思われる。すでに判決を言い渡されて長年が経ったMCモンは、10年余りも外部活動を自制、自粛した」と付け加えた。
1990年代を代表する男性ソロ歌手だったユ・スンジュンは、2002年に兵役につく予定だった。しかも現役兵としての入隊ではなく、“公益勤務”(現在の社会服務要員)という、ある意味“優遇”を与えられていた。トップスターに対して韓国兵務庁は、芸能活動をしながらの服務さえ検討していたとの報道もあった。
しかしユ・スンジュンは、そんな周囲の配慮を無視して、入隊直前にアメリカ市民権を取得。つまり兵役を逃れようと韓国籍を放棄したわけだ。
世論の非難は集中し、最終的にユ・スンジュンには入国禁止措置が下された。
17年目の兵役論議の中心に立っているユ・スンジュンは、去る9月17日の『本格芸能真夜中』(SBS)とのインタビューで、「私は軍隊を行くと自分の口で言ったことは一度もない」と主張した。
インタビュー内容を要約すると、ユ・スンジュンは間違った報道によって軍隊に行くしかなくなり、両親と牧師の勧誘、そして個人的な理由から決心を覆してアメリカの市民権を取得した。兵役を全うするつもりだったが、それができなくなり申し訳ないという釈明もした。
ユ・スンジュンが心境を告白したのは、今回が初めてではない。
2015年5月に2回のインターネット生放送を通じて、「どのような方法であれ、2人の子供と堂々と韓国の地を踏みたい」と訴え、ひざまずいて涙を流したが、製作陣への悪口などが放送に流れながら非難の声がさらに大きくなった。
最近は、CBSのアナウンサーであるソ・ヨンミとSNSを通じて、舌戦を繰り広げたりもした。
9月20日には、ユ・スンジュンのビザ発給拒否が違法かどうかについて、最高裁の破棄差し戻し審が開かれる。最高裁の決定を控えて、韓国内では未だにユ・スンジュンの入国可否に対する議論が白熱している。
MCモンは10年の自粛を終え、活動の幅を少しずつ広げようとしている状況だ。
自ら作詞作曲をこなし、アルバムはどれもヒットさせる人気アーティストだったMCモンは、バラエティ番組にも引っ張りだこだった。しかし2010年、兵役を逃れようと故意に歯を抜いたとの疑惑が浮上し、裁判にかけられた。
2011年、抜歯による兵役逃れの部分は無罪判決を受けたが、入隊延期に関する部分は有罪判決を受けた。核心争点だった“抜歯”につては法的に無罪宣告を受けたが、今でも一部からは疑惑の目を向けられているのが現実だ。
MCモンは騒動後の2014年、5年ぶりに音楽活動を再開し、以降は音楽活動だけを慎重に行っている。2017年2月に発表した『パンチャンゴ』が、彼の最新の楽曲だ。MCモンは来る10月25、26日の両日、単独コンサート「モンスター株式会社」を行う。
2人の芸能活動復帰について、別の関係者はこう話す。