「昭和グルーヴ」をキーワードにジャパニーズ・シティポップを発信し、世界中から注目を集めている韓国人DJ/プロデューサーのNight Tempo。
【注目】Night Tempoが追及するジャパニーズ・シティ・ポップとは
Winkや斉藤由貴、工藤静香など、80年代の日本の音楽シーンを盛り上げた歌手の楽曲をリエディットした音源は、海外でも熱い反響を得ており、昨今の国内外におけるシティポップ・ブームの立役者とされている。
コロナ禍が徐々に落ち着きつつあるなか、それに合わせるかのようにNight TempoはアメリカでのDJプレイ、日本ツアー、FUJI ROCK FESTIVAL '22出演など、多岐にわたる活躍を見せている。
そして今回、昭和グルーヴ・シリーズ第15弾である「RA MU」の『青山Killer物語』『少年は天使を殺す』リエディットをリリースするタイミングで、Night Tempoの対面インタビューを行った。
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──まず今年、2019年以来、2度目の「フジロック」に出演されました。前回よりも大きなステージでパフォーマンスされていましたが、いかがでしたか?
久しぶりのライブでした。DJは結構休んでいたし、コロナ禍ではクリエイティブに集中していました。
フジロックに出演する約半年前にアメリカでDJをしたのですが、日本ではしっかりと準備されている舞台でDJプレイをしたことで、やっぱり現場っていいなと。とても久しぶりだったので、皆さんの盛り上がりを見られて、とても楽しかったです。
──10月7日には、昭和グルーヴ・シリーズの最新作としてRA MUのリミックスをリリースしました。その際、「RA MUがいなかったら、昭和グルーヴ・シリーズも生まれていませんでした」というコメントを出しており、とても思い入れの強い作品になったと思います。今作は自身にとって、どのような位置づけでしょうか。またなぜそのような作品が15番目に来たのでしょうか。
今回リリースできる順番になったというだけで、15作目という数字はあまり重要ではありません。
昭和グルーヴ・シリーズを出すきっかけになったという話は、以前、僕が個人的に作ってSNSなどにアップロードしたものを、現在所属している会社の方たちが見つけて連絡をくれて、そこからオフィシャル・リエディット企画のリリースが始まったという意味です。
いつかは出せたと思うのですが、自分のキャリアについて悩んでいた時期に話をいただいたという意味で、重要なきっかけになったと思います。
また、(楽曲を)個人で出すのとオフィシャルで出すのとでは、大きく意味が変わります。個人で出しても、(原曲アーティストの方々に)良い印象が残らなかったと思いますが、今は公式に本人たちの許可をいただいていますし、本人たちが喜んでいる姿を見られるということが大きなモチベーションですね。