風船、電光掲示板、寄付、“ストリーミング総攻撃”…時代と共に進化するK-POPファン文化のイマ

2022年06月30日 話題

K-POPアーティストがニューヨーク・タイムズスクエアの大型電光掲示板を飾ったというニュースが、絶えず出てくる。韓国国内でも地下鉄の掲示板やテレビ広告などを占領するアイドルスターの姿を、たびたび発見することができる。

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いずれも企業や所属事務所が投入した広告ではなく、K-POPファンの作品だ。大好きなスターがテレビに出てくるのを待ちながら、ファンレターで思いを伝えていた過去のファンとは大きな差だ。

スターへの思いを伝えることに、ためらうことのない最近の“ファン文化”は、どのように誕生したのだろうか。

組織化されたファンの登場

K-POPアイドルの第1世代とされるH.O.T.、Sechs Kiesなどの登場は、共通の関心事を連帯する熱狂的なファン集団を誕生させた。

(写真提供=OSEN)H.O.T.

ファンクラブ会長の指揮のもと、グループを象徴する色の風船を振りながらステージを楽しみ、応援道具を作ったり、ブロマイドで部屋を飾ったりした。

また所属事務所が管理する公式“ファンカフェ”がオンラインに設置され、ファンは2次創作物や写真などのコンテンツを享有する空間として、所属事務所はアーティストのスケジュールを共有してファンの集団活動を支持する目的で使用した。ファンが組織化していく段階だった。

第2世代アイドルのファンは、スターの後を追うよりも、社会的な好感度の上昇に注目した。 

2000年代に盛んに行われた“ジョゴン(朝貢)文化”(アイドルが喜びそうなプレゼントを選び募金で購入して贈ること)は、ファンの心を表現するひとつの方法であり、それは公益性に重点を置いた「概念ジョゴン」へと発展した。アイドルの名前でファンがお米や練炭などを寄付し、図書館や動物保護所など公共財を建設するケースも多かった。

ファンによる寄付のニュースに感銘を受けたスター本人が、より大きな金額で応えるなど、意味の深い“お返し”も絶えなかった。ファンの活動が盲目的な熱狂から、スターの社会的な地位を高めるサポーターに発展したのだ。

今現在のファン文化

今日のファン文化は、攻撃的な消費と広報でアーティストを積極的に支持する方向に発展した。「私のアイドル」の成長を見守りながら、成功のために助力する段階に進んだのだ。

(写真提供=BIGHIT MUSIC)BTS

ファンは広報コンテンツを自ら作ってSNSに投稿したり、独自のグッズを開発したりすることはもちろん、テレビや地下鉄の電光掲示板に広告を打つなど、アーティストの認知度を高める活動を行う。過去のファンがスターを羨望の対象と考えていたとすれば、現在は一緒に同行する存在と認識しているわけだ。

去る5月、ファンプラットフォーム「FANTOO」でK-POPアーティストの部門別トップを選定する投票が3回にわたって行われた。最終集計の結果、投票数8億票という空前絶後の記録が誕生した。FANTOOでアーティストのプロモーションが進行されるたびに関連ハッシュタグがツイッターのリアルタイムツイート順位に上がるなど、ファンによる自発的な広報が活発に起こる。

興味深いのは、投票に参加するユーザーの大部分が海外の利用者ということだ。韓国ファンの特徴である「強力な集団行動」が全世界に広がっていることを実感させる部分だろう。

韓国ファンがよく行う「スミン」(ストリーミングの略で、好きなアーティストのデジタル音源を繰り返し再生すること)は、各国に合った方式で実行されている。BLACKPINKの海外ファンが“スミン総攻撃”を繰り広げた結果、『DDU-DU DDU-DU』のミュージックビデオは再生回数18億回を突破し、K-POPグループ初というタイトルを獲得した。

(写真提供=YGエンターテインメント)

アメリカのBTSファンは、50の州や地域のラジオ放送局に歌の選曲を申請する“ラジオ総攻撃”、「@BTSx50States運動」を行った。その結果、シングル『Dynamite』はビルボード1位に輝いた。

現在のK-POPファン文化は人権運動、寄付キャンペーンなど、社会問題の先頭に立つ成熟した文化として定着しつつある。アーティストのグローバルな地位を高めたいファンの欲求が、かみ合った結果だろう。韓流のグローバルな影響力が日増しに高まっているなか、ファン文化も同様に絶えず進化していくものと予想される。

(記事提供=OSEN)

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