デビュー以後、数々のコンサートを開催してきたBTSだが、2020年に予定されていた「BTS MAP OF THE SOUL TOUR」ワールドツアーが新型コロナによる影響で中止になった。
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しかし、彼らは模索を続け、「部屋で楽しむBTSコンサート」(BTS ONLINE CONCERT WEEKEND、以下BANG BANG CON)という新機軸の公演を打ち出し、コロナ禍で疲弊する全世界のARMY(BTSのファンネーム)に癒しと楽しみを与えてきた。
しかし、BANG BANG CONに満足することなく、さらなる進化を求めたBTSは、BANG BANG CON The Liveから4カ月後の2020年10月、「BTS MAP OF THE SOUL ON:E」でARMYたちの前に舞い戻ってきた。
コロナ禍が日常化しつつあるなか、BTSは再び挑戦に乗り出したのだった。
「唯一(ONE)のオンラインエディション(ONline Edition)公演」という意味を込めた「BTS MAP OF THE SOUL ON:E」では、BTSのみが披露できるパフォーマンスを最高のクオリティで実現するため、4つの大型ステージが立てられた。
そのため、BANG BANG CON The Liveの8倍もの制作費が投入され、強化現実(AR)と拡張現実(XR)などの最先端技術が融合したこの公演には、オンライン公演が実現できる最もダイナミックな演出が総動員されたという。
観客はそれぞれ違う4つの大型会場で行われる公演を鑑賞すると同時に、最先端技術が取り入れられたステージを4K・HDの高画質で鑑賞しながら、現地にいるような躍動感を体感できた。
BANG BANG CONに続いてマルチビューストリーミングも提供され、観たい画面をリアルタイムで選択することができた。
BTSは華麗で勇壮なコンサートで世界のファンを一つに集め、2日間で全世界191の国と地域から計99万3000人が観覧したという。
また最大級の規模にとどまらず、より多くの観客が公演を楽しめるようディレイストリーミングも提供され、日本では映画館で公演を観覧できるライブビューイングが行われた。
数々の革新的なオンライン公演を重ねてきたBTSは2021年10月、新ツアー「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」を開始した。
始まりはオンラインコンサートだったが、「BTS MAP OF THE SOUL ON:E」以来、約1年ぶりのコンサートだった。
タイトルにエド・シーランと共作した「Permission to Dance」を掲げただけに、「ダンスは気が向くままに、許可なく思う存分踊っていい」というメインメッセージを全世界に発信した。
「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」は、2021年11月末から12月頭にかけてアメリカ・ロサンゼルスで開催された「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE - LA」を経て、来る3月10日から3日間にかけて行われる「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE - SEOUL」に続いている。
この2公演はオン・オフラインコンサートそれぞれの長所を最大化し、BTSのパフォーマンスを最大限楽しめる“ハイブリッド”公演の頂点を極めたとも言える。
今ツアーでは、大型スタジアムコンサートの壮大な規模と臨場感をそのまま伝えるため、大型LED画面が設置されている。
対面公演を望んだが、コロナ禍により、やむを得ずオンラインで行われた「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」では、スタジアム公演会場の膨大なステージセットを画面でも体験できるようになっていた。
また、新たに導入されたバーチャル・エフェクト・ビュー(VEV)サービスが、オンライン公演で行われた観客の心の傷を癒すのに力を貸した。
VEVは、VJソースや歌詞グラフィック、中継効果などが結合された画面を通じて、実際の会場だけで見ることのできるLED効果が、オンライン画面にもそのまま映し出される技術だ。
続いて2年ぶりの対面コンサートとなった「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE-LA」では、大型LEDが観客と呼吸するという有観客の醍醐味を生かすのに大きな役割を果たした。
BTSと観客のエネルギーが爆発したロス公演では、『Permission to Dance』の歌詞がそっくりそのまま現実化した夢のような瞬間だった。