「あの芸能人にいじめられていた」韓国芸能界を脅かす新たな“暴露キャンペーン”とは

2019年05月29日 話題

「MeToo運動」「ビットゥー」(両親や親戚の借金問題)、「V.Iスキャンダル」に続き、韓国芸能界に“いじめ問題”が巻き起こっている。学生時代、芸能人から受けたいじめや校内暴力を暴露するキャンペーンだ。

韓国では「MeToo」にちなんで、「ハクトゥー」(学校の「学=ハク」+Too)という新しい造語まで生まれている。

芸能人からいじめや校内暴力を受けた被害者が、法的措置をとることは容易でない。しかし韓国の世論を見ると、“時効”が存在しないのが「ハクトゥー」の特徴といえる。

高い人気を謳歌していたバンド「Jannabi」の元メンバー、ユ・ヨンヒョンは去る5月23日、オンライン上に掲載された暴露文を通じて学生時代、いじめの加害者であったことが明らかになった。

被害者はネット上で、「私は学生時代、他の人よりも言葉がどもりがちで馬鹿にされた。お前は私の反応がおもしろいと、ビニール袋を顔にかぶせたり、ロッカーにいたずらをしたりした」と書き込み、ユ・ヨンヒョンから受けたいじめを詳細に暴露した。

所属事務所は5月24日、ユ・ヨンヒョンの過ちを認め、謝罪文を発表。ユ・ヨンヒョンはバンドを自主的に脱退した。

Jannabi

それ以降、「ハクトゥー」に火がついた。

元SISTARのヒョリンも5月25日、とあるオンラインコミュニティに暴露文が掲載され、中学校在学当時、いじめをしていた加害者と指摘された。ヒョリン側は疑惑を否定して名誉毀損などの法的対応の方針を明らかにし、暴露文を書いたヒョリンの同級生が再び反論するなど、真実をめぐる論争まで行った。

双方は5月28日、劇的に和解したと明らかにしたが、ヒョリンに対する疑惑の目は今も消えていない。

【関連】元SISTARヒョリンの“校内暴力”問題は「解決」? イメージダウンは避けられない

元SISTARヒョリン(左)とBerry Goodダイェ

さらにガールズグループ「Berry Good」のメンバー、ダイェが「ハクトゥー」疑惑に包まれた。元Jannabiのユ・ヨンヒョン、元SISTARのヒョリンに続く、第3の暴露だ。

5月28日、ダイェはいじめの加害者という疑惑が提起された。暴露した人物は小学校在学中、ダイェの暴力や暴言に苦しめられたと主張した。

Berry Goodの所属事務所JTGエンターテインメントは、「ダイェ本人はまったくそのような事実はなく、オンライン上で実名も出さないいじめ関連の文章に対して、所属事務所は名誉毀損で強力な法的対応をする予定だ」と説明した。

すると暴露した人物は、再び「何を考えて事実無根というのかわからない。思い出せないのであれば、もっと詳しく教えてあげようか?」と追加の証言を予告した。

学生時代のいじめや校内暴力を暴露する「ハクトゥー」は、法廷争いにつながる可能性が高くない。

関連犯罪の要件に応じて異なるものの、単純な暴行の公訴時効は5年だ。民事上で提起することができる損害賠償請求権は、損害を知った日から3年か、損害が発生した日から10年で消滅するため、最近の「ハクトゥー」はその期間を超えている。

ある関係者は「校内暴力やいじめの被害が事実であったとしても、長い時間が過ぎてから加害者に行使できる法的措置はほとんどない。だが“いじめのトラウマ”が存在するなかで、加害者が有名人になっていることに耐えられない場合は、自己防衛措置の一環としてメディアや各種コミュニティに暴露することはできる。虚偽やねつ造でないのであれば、そのような行為を問題視することはできない」と話した。

逆に加害者と指摘された芸能人は、名誉毀損など法的な措置をとることができる。被害者がSNSに暴露する行為は、名誉毀損になる余地があるからだ。

これに対して法務法人カンナムのイ・ジョンウォン弁護士は、「いじめの加害者と指名された芸能人は名誉毀損で相手を訴え、真実かどうかを争うことができる。しかしその過程で校内暴力やいじめが事実と確認されれば、被害者は処罰を受けないで済む。加害者が継続的に芸能活動をすることが公益的に望ましくないことを示し、公共的利益のために問題提起したと被害者が主張するならば、違法性を帯びることもある」と述べた。
 

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