アニメ作品に挑戦すると『パラサイト』のポン・ジュノ、細田守も思わず「お~~!」と興奮の声【東京国際映画祭】

2021年11月07日 映画

11月7日、第34回東京国際映画祭の「アジア交流ラウンジ」の最後を飾るポン・ジュノ監督と細田守監督のトークイベントが東京ミッドタウンで開催された。

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「アジア交流ラウンジ」は、アジアを含む世界各国・地域を代表する映画人と、第一線で活躍する日本の映画人が語り合うというスペシャルイベントだ。

『パラサイト 半地下の家族』などで韓国を代表する実写映画監督として名高いポン・ジュノだが、今回のイベントではアニメ談義で大いに盛り上がった。

というのも、ポン・ジュノ監督は現在2本の映画を製作準備中と明かしたのだが、そのうちの1本がアニメ作品だという。この言葉に、細田監督は思わず「お~~!」と喜びの声を上げ、「ワクワクしてしょうがない!」と興味が抑えきれないようだった。

ポン・ジュノ監督は「公式のフィルモグラフィーには載っていませんが、僕が初めて制作した映画は短編アニメなんです。しかし僕にとってアニメ制作は簡単ではないと思っています。ただ、見たことのない新しいビジュアルを作ってみたいと思っていて、いろいろ挑戦しています」と新たな世界への意気込みを語った。

ポン・ジュノ監督(左)と細田守監督

そしてカンヌでプレミア上映され、大ヒットした『竜とそばかすの姫』の制作について細田監督は、「パンデミックの中で制作スケジュールがずれたこともあり、大変だったんですけど、感染者が出ずに完成したことは幸運なことだと思います」とし、「世界中の人に作品を届けることができ、映画を通じて自由を取り戻そうというカンヌの観客の方々を見て、映画は僕らの社会に必要だと改めて感じました」と当時を振り返った。

またポン・ジュノ監督は、細田監督作品の“進化”について、「『竜とそばかすの姫』では『サマーウォーズ』と同様に仮想世界が登場しますが、仮想世界がより立体的に表現されているように感じました。視覚的な世界が驚異的で、現実世界とのトーンの違いも感じられた」と述べると、「『竜とそばかすの姫』はインターネット世界の中で才能を花開かせる主人公の物語なので、舞台となる仮想世界をデザインしてくれる人もネットの中にいるんじゃないかと思ったんです。ネット上で探すとイギリス人の建築家であるエリック・ウォンに出会い、映画作品への参加経験はなかったんですが、彼にUという大きな世界のデザインをすべてお願いしようと思ったんです。彼のような才能に(ネット上で)出会う可能性も、現代ではありうることですよね」と制作秘話を語った。

ポン・ジュノ監督(左)と細田守監督

イベント中、画面越しではあるものの、ハグのポーズを取ったり、映画好きの思いが止まらないといった様子で終始笑顔だった2人。アジアを越え、世界を舞台に活躍する日韓トップクリエイターの切磋琢磨に今後も目が離せない。

(取材・文・写真=高 潤哲)

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