俳優チョ・ウジンが、初の単独主演作『発信制限』(原題)で俳優人生に花を咲かせた。
映画『発信制限』は韓国で去る6月23日に公開されて以降、興行成績1位を死守している。“車から降りた瞬間爆発する”という設定の『発信制限』では、チョ・ウジン演じるソンギュが車内で繰り広げる“ワンマンショー”が注目を浴びている。
チョ・ウジンは「戦士のような気持ちで挑んだ。コロナの影響で厳しい状況のなか公開されただけに、より多くの方に見てもらいたい」と切り出した。映画『インサイダーズ/内部者たち』や日本でも人気を博したドラマ『トッケビ』などで脇役として出演してきたチョ・ウジンだが、今作では堂々と主演に躍り出た。
チョ・ウジンは俳優人生22年目にして初の朗報に「“日韓戦”を目前に控える選手の気持ちが分かる瞬間」とし、「撮影時はいつもプレッシャーを抱えていたが、ソンギュという人物に没頭しているうちにそれも段々となくなっていった。 “僕が主役だよな?”と考える間もなく撮影した。最大限、現場に集中して撮影に臨もうと努力した」と明かした。
『発信制限』は車内で主に繰り広げられるストーリーのため、演技力に対してもプレッシャーが多かったはずだ。チョ・ウジンは「体と心が苦労してこそ良い結果が出ると思う。現場感を出すべく、車内に10台以上のカメラが入ってきた。ワンシーンでも無駄にしてはいけないと思った。周辺の状況を見て、皆が頑張っている姿を見ながら多くの影響を受けた」と撮影当時を振り返る。
チョ・ウジンの血と汗、涙が盛り込まれた『発信制限』は、韓国における本格的な夏の映画公開ラッシュの最初の作品でもある。
「9番打者だと思って打席に立ったら1番だった。思わず震えたし、雲の上にぷかぷかと浮いているようだ(笑)」という彼は、「メンタルを取り戻そうと努力中だ。俳優として可能な限り映画をアピールし、映画館に来てもらえるように努力するしかない」と語った。
チョ・ウジンは撮影後に血圧薬を服用するほど、『発信制限』という作品に本気だった。そんな辛い撮影に耐えられた原動力が何だったかを問われると、彼はすぐに“娘”の存在を挙げた。
彼は「たくさん遊んであげられないので、娘に対する感謝と申し訳ない気持ちが共存している。僕が家を出るときに“もう少し働いてきて”と言う。とても可愛く愛おしいが申し訳ない。罪を犯して働いている気分だ」とし、「撮影中、イ・ジェインさんと親子の演技をしたときはかなりインスピレーションを受けた。ソンギュという人物を演じる上でも、原動力は娘にあった」と格別の愛情を示した。
今は誇らしい俳優であり父親だ。チョ・ウジンは「今回の作品で、自分の家族はもちろん観客の皆さんに対しても、“家族愛”というプレゼントをもたらせると思う。スリルやスピード感、映画ならではの快感を満喫してから、後半のプレゼントを開けてほしい」と述べた。
チョ・ウジンは『発信制限』のポスターが初めて公開されたとき、声を出さずに泣いたという。去る1999年、俳優に対する夢一つだけで50万ウォン(日本円=約5万円)を手に上京した青年は、今や“信じて見る俳優”の1人になった。
彼は「夢一つを追い求めて耐えた。あのときを思えば、今僕の目の前で起きていることはすべて奇跡だ。あのときから今も変わらず、僕にとっての夢はいつも映画だ。“最善を尽くす”という言葉を掲げて生きてきたが、これからもずっとそんな夢を見続けていきたい」と明かした。
最後にチョ・ウジンは、「似たような記憶で『インサイダーズ/内部者たち』にキャスティングされたときの感激が忘れられない。多くの俳優が苦労しながら仕事を続けている。今の自分の姿が少しでも希望を与えられたら嬉しい」としつつも、「自らにより厳格であってこそ、目標に少しでも近づけるのではないかと思う。主演や助演などは関係なく、良い俳優とは作品に合う演技をする人を指すと思う。これからも最善を尽くすという意味だ」と力強く語った。
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