IZ*ONEのような大人気グループが誕生する?韓国でアイドルオーディション番組が再ブームの理由

2021年06月07日 話題

韓国で放送されるオーディション番組の主導権が、再びアイドルに戻ってきた。

IZ*ONEやWanna Oneを誕生させた『PRODUCE』シリーズを通じてMnetがアイドルオーディションのルネッサンスをもたらしたが、同時に不正な順位操作論議で騒動を起こしたことも事実だ。

その後、TV朝鮮の『ミスタートロット』(原題)のようなトロット(韓国の演歌)オーディションが大人気となり、2年余りの勢いを失っていたアイドルオーディション番組だが、その扉が再び開かれようとしている。

アイドルオーディション番組が次々と始まる

まず、JYPエンターテインメントのJ.Y.Park(パク・ジニョン)と、『江南スタイル』のPSYが手を握ったSBSの『LOUD:ラウド』(原題)がベールを脱いだ。

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6月5日に放送された初回は、最高視聴率11.3%(ニールセンコリア)を記録し、高い関心を証明した。『LOUD』は既存のアイドルとは違い、ダンスや歌だけでなく、内面の魅力と個性、可能性を強調し、新しいボーイズグループの誕生を予告している。

(写真提供=SBS)『LOUD:ラウド』

バラエティ番組『知ってるお兄さん』などで知られるヨ・ウンヒョクPDがMBCに戻り、8月にリリースする『極限デビュー野生ドル』(原題)も、これまでのアイドルグループ結成方式とは異なる結果を持っている。

『極限デビュー野生ドル』は、野生で繰り広げられる熾烈なアイドルの生存記で、オーディションとバラエティが結合した新しいコンセプトが印象的だ。バラエティ番組『男の中の男』(原題)、『The Paikfather』(原題)を演出したチェ・ミングンPDと、『ラジオスター』(原題)を演出したハン・ヨンロンPDが手を組み、期待が高まっている。

『PRODUCE』シリーズのMnetも、『Girls Planet 999:少女大伝』(原題)の8月放送を伝え、ティーザー映像を公開した。

すでに3回の予選を通じて日中韓の文化圏から33人ずつ、計99人の参加者を最終的に確定した『Girls Planet 999』は、グローバル生中継を通じて韓国はもちろん、アジアと世界中を虜にする新人ガールズグループを誕生させる予定だ。Mnetは公平性を高めるために、K-POPプラットフォーム「ユニバース」で投票を行う。

(画像提供=Mnet)Girls Planet 999

『PRODUCE 101』で知られるハン・ドンチョルPDとMBCが手を組んだ『放課後ときめき』(原題)も最近、志願者を募集し、11月の放送の準備に拍車をかけている。『放課後ときめき』は、デビューと同時に米ビルボードに挑戦するグローバルガールズグループを発掘、育成するプロジェクトだ。過去に『PRODUCE 101』と『MIX9』を作ったハン・ドンチョルPDの新しい番組ということで、期待を集めている。

オーディション番組の明と暗

韓国では『PRODUCE』シリーズの大成功によって、アイドルオーディションブームとなり、地上波や総合チャンネルが先を争って新しい番組を制作してきた。

しかし、その結果は悲惨だった。視聴率はもちろん、番組を通じて誕生したアイドルグループも人気を博すことができず、ビジネスとして期待ほどの成果を得ることができなかった。さらに代表格であった『PRODUCE』シリーズで、不正な順位操作が行われていたことが発覚し、アイドルオーディションはしばらく停滞するしかなくなった。

それでもオーディション番組は、すでに音楽番組のひとつのフォーマットとなっており、アイドルは今も魅力的な素材だ。オーディション番組だけが提供できる投票などを通じた視聴者とのインタラクティブは、それ自体が魅力的であり、アイドルはそんなコミュニケーションに最適な要素ともいえる。各番組は従来との違いを強調し、自分たちだけのアイデンティティを証明しようとしている。

(画像提供=MBC)『放課後ときめき』

何よりもアイドルオーディションは、単純な視聴率として評価される番組ではなく、ひとつの巨大な産業だ。K-POPが成長するなかでアイドルオーディションは、ファンを集中させ、トップクラスのグループを一気にローンチできる登竜門として作用した。

番組を通じてデビュー過程はもちろん、デビュー後も海外活動へと続き、K-POPの巨大なパッケージになった。K-POP市場の競争が激しくなるほど、大型新人をローンチできる大手芸能事務所でない事務所にとっては、魅力的な提案であり、次善策になる。

ただ、未だにオーディションという目新しさのないフォーマットが与える既視感と、それにともなう疲労感が大きいという指摘も存在する。そして様々な産業が関連付けられているアイドルオーディションは、明と暗がはっきりした“素顔”をダイレクトに見せすぎる難しさもある。

本当に差別化されたプロジェクトだけが、番組はもちろん、産業的な成功を収められるなかで、どの番組がK-POP界を揺るがす新しいスターを誕生させることができるか、多くの人々の関心が集中している。

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