Netflixで配信中のドラマ『悪霊狩猟団:カウンターズ』で驚異的な大ヒットを記録した韓国のテレビチャンネルOCNが、暗い穴に落ちた。
OCNは、たしかに他チャンネルとの明確な差別化を掲げ、“ジャンルものの名家”という修飾語を得た。もちろん、その過程には紆余曲折があったが、今年初めに放送された『悪霊狩猟団:カウンターズ』で花を咲かせた。
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『悪霊狩猟団:カウンターズ』は、OCN史上初の二桁の視聴率はもちろん、歴代オリジナル作品の最高記録を更新し、新しい歴史を作った。視聴率だけでなく、Netflixでも公開されて韓国の「TOP 10コンテンツ」の常連となり、ワールドワイドランキングTOP 10にも上がってグローバルな人気を博した。大きな話題にもなり、OCNの名を広く知らせた。
だが、そこがピークだった。以降に放送された『タイムズ』(原題)、『ダークホール』(原題)は、期待に及ばない成績に終わり、話題になることもなかった。
その2作品の成績以上に残念なのは、韓国コンテンツ大手CJ ENMがOCNを眺める視線の変化だ。
2005年からオリジナルドラマを制作してきたOCNは、草創期には刺激的なテーマのドラマを通じて視聴者の注目を集めたが、2009年の『朝鮮推理活劇チョン・ヤギョン』(原題)以降、『神のクイズ』『ヴァンパイア検事』『10TEN/特殊事件専門担当班TEN』『バッドガイズ~悪い奴ら~』『ボイス』まで、犯罪スリラーに集中してチャンネル独自のカラーを作ってきた。
ここ数年は、「ドラマティックシネマ(Dramatic Cinema)」など、着実に多様なジャンルの作品に挑戦し、自分たちだけの世界観を着実に積み重ねてきたが、現在、その流れが少しずつ変わる様子だ。
昨年、映画チャンネル「チャンネルCGV」と「スーパーアクション」が3月付でそれぞれ「OCN Movies」と「OCN Thrill」にリブランディングし、OCNに力を加えてくれたが、今はそのような動力が見えない。
「水木」と「月火」のドラマブロックはすでに消え、残された「金土」ドラマも『ダークホール』以降、後続がない。すでに『ダークホール』を「土日」から「金土」に移動して競争力を喪失し、何よりも自分たちの代表的なオリジナルシリーズである『ボイス4:審判の時間』(原題)をtvNに渡した。
過去に共同編成をしたこともあるが、『ボイス4』はtvNの金土ドラマとして6月18日から放送される。
さらにCJ ENMが動画配信サービス「TVING」に力を注ぎ、OCNのオリジナルドラマ制作の立場がますます減少している。『ボイス4』がtvNに移動したなかで、すでにラインナップとして公開した『ホームタウン』(原題)も似たような歩みになると予想できる。
『悪霊狩猟団:カウンターズ』シーズン2をはじめ、『アイルランド』(原題)など期待を集める作品も、どんな選択をするか未知数だ。
OCNは、これまで築き上げてきた実績を自ら破棄しているような格好となっている。とある業界関係者は、「tvNへの集中とTVINGの成長のために、OCNが徐々に疎外されているようだ。CJ ENMが持つ多様性を示すことができるチャンネルだったが、ここまで力を失ったことが残念だ」と話した。
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