BTSから『パラサイト』『ミナリ』Netflix作品まで…韓国コンテンツの未来が明るい理由

韓国コンテンツの勢いがとどまることを知らない。

2012年にリリースされたPSYの『江南スタイル』が米ビルボードにランクインし、YouTubeを熱く盛り上げたのは奇跡に近く、当時は全韓国国民が応援し、全世界が熱狂していた。この出来事は韓国エンターテイメント界における1つのエポックメイキングと言っても過言ではないだろう。

その後、世界的なアーティストに成長したBTS(防弾少年団)のロングランや、昨年アカデミー賞やカンヌ映画祭を席巻したポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』にいたるまで、韓国コンテンツの世界進出はもはや奇跡ではない。文字通り数多くの“血、汗、涙”が結晶化し、その地位を確かなものとしてきた。

数年前までは公演を見てほしいと、アメリカで直接チラシを配布していたBTSだが、今や世界中が認め、ビルボードの常連となっている。彼らの『Dynamite』『Life Goes On』は単なる音楽の枠を超え、新型コロナ時代における癒しとして温かい影響力を発揮している。

BTS(防弾少年団)

韓国映画、俳優の躍進

ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』は、2020年アカデミー賞で6部門にノミネートされ、4つのトロフィーを受賞したことで韓国映画の地位を実感させた。極めて韓国的な家族の話のようだが、階層間の葛藤などを風刺的に加え、 “ポンテール”(ポン・ジュノ+ディテール)らしい繊細な演出で好評を博した。

今年はそのバトンを『ミナリ』が引き継いだ。韓国系アメリカ人であるリー・アイザック・チョン監督(韓国名チョン・イサク)が手がけた『ミナリ』は、アメリカ映画ではあるものの韓国系または韓国人の監督や俳優が一丸となって韓国人家庭の物語を描くという点では、韓国コンテンツとして分類されるはずだ。

特に最も関心を集めたのは“韓国のおばあさん”のユン・ヨジョンだが、彼女は典型的なおばあさん像から脱皮した姿で存在感を示した。その結果がアカデミー賞での助演女優賞受賞であり、韓国映画史に新たな歴史を創出した。

ユン・ヨジョン

『ミナリ』が掲げたトロフィーだけで計39個にも上る。もちろん、二度と出ないかもしれないほどの素晴らしい功績だ。

しかし『ミナリ』以後の韓国コンテンツの未来も明るい。『ミナリ』に出演した女優ハン・イェリは、アメリカのECHO LAKEエンターテインメントと契約を結び、本格的な世界進出を宣言している。

また、最近では韓国が誇る肉体派俳優マ・ドンソクが、制作パートナーのクリス・リーとともに2019年の韓国ドラマ『トラップ~最も残酷な愛~』(OCN)の米リメイク版『ザ・クラブ』(原題)の制作に関わり、主演も務めると報道された。

これに先立ちマ・ドンソクは、MARVEL映画『エターナルズ』でギルガメッシュ役にキャスティングされ、有名なハリウッド俳優たちと肩を並べている。幼い頃移民し、アメリカ国籍を持つマ·ドンソク(英名ドン・リー)が言語的な面でも優位性を誇示し、ハリウッドでの花道を歩んでいる。

Netflixでも優位性を誇示

また、『キングダム』シリーズを皮切りに、『Sweet Home -俺と世界の絶望-』『ザ・コール』『スペース・スウィーパーズ』『楽園の夜』といったNetflixオリジナルコンテンツが独占公開され、全世界の視聴者から支持を受けた。ソン・ジュンギ主演の『スペース・スウィーパーズ』は、公開日に世界16カ国で映画ランキング1位を記録したほどだ。

【関連】Netflixアジア総括が語る“韓国コンテンツの重要性”とは…

(写真提供=Netflix)『スペース・スウィーパーズ』韓国版ポスター

Netflixの作品に出演した韓国人俳優たちは口を揃えて、「海外に住んでいる友達から見たと連絡が来た」「SNSのフォロワーやコメントに外国人が増えた」と話している。韓国コンテンツが世界中から熱い関心を受けている証拠でもある。

チョン・ドクヒョン大衆文化評論家は、「韓国コンテンツへの関心が全般的に高まったようだ。昨年の『パラサイト』から今年は『ミナリ』に繋がり、継続して関心が寄せられてきた」とし、「韓国コンテンツがすでに大きな成功を収めたからかもしれないが、世の中が大きく変わったことも一因だ。グローバル社会の中で多様性を要求する流れが出ており、アメリカ社会を筆頭に世界中に浸透している状況だ。こうした現象が今後も多く登場すると思う」と見通した。

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