韓国の映画監督キム・ギドクが、自身の性的暴行疑惑を番組で取り上げたとしてテレビ局を相手に起こした損害賠償請求訴訟で敗訴した。
ソウル西部地裁民事12部(チョン・ウニョン部長判事)は10月28日、キム監督が女優のAさんとテレビ局のMBCを相手に起こした10億ウォン(約1億円)の損害賠償請求訴訟で、原告の請求をすべて棄却し、訴訟費用も原告が負担するよう判決を下した。
去る2018年3月、MBCの時事番組『PD手帳』(原題)は「映画監督キム・ギドク 巨匠の素顔」編で俳優たちの証言をもとにキム監督のセクハラ行為を告発し、同年8月には「巨匠の素顔、その後」編を放送している。
これに対し、キム監督は2019年3月に女優のAさんとMBCが虚偽の主張をもとに番組を制作、自分の名誉を毀損したとして彼らに10億ウォンを請求する損害賠償訴訟を起こした。
Aさんはキム監督の映画を撮影した2013年、感情移入を手伝うという理由でキム監督に頬を打たれ、台本になかったベッドシーンを強要されたとし、2017年に暴行と強要、強制わいせつ致傷などの容疑でキム監督を告訴した。
当時、検察はキム監督の性的暴行関連容疑は証拠不十分で無罪とし、暴行容疑で略式起訴した。
その後、キム監督はAさんを誣告の疑いで告訴し、Aさんの陳述をもとに番組を制作したMBCも名誉毀損で告訴したが、検察は虚偽の事実とは断定できないという理由で彼らに不起訴処分を下した。
一方、キム監督は自分の映画が開幕作だった某国際映画祭に選定の取り消しを要求した韓国女性民友会に対しても3億ウォン(約3000万円)の損害賠償請求訴訟を起こしている。
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