『梨泰院クラス』名悪役ユ・ジェミョンが語る“白髪”の意味「ほめてあげたい」【インタビュー】

俳優ユ・ジェミョン(47)が、映画『音もなく』(原題)で帰ってきた。

韓国で10月15日に公開された同作は、拉致した子供を預けて死んでしまった依頼人によって、いきなり誘拐犯になってしまった2人の男の危うい物語を描く。公開と同時に興行ランキング1位を獲得し、口コミで評判を呼んでいる。

【写真】『梨泰院クラス』本読みの様子

劇中、チャンボクに扮するユ・ジェミョンは、遺体処理という仕事をしながらも、それなりのルールや鉄則を持つ男を自然に演じ上げた。所々で出てくる彼のギャグも、映画の魅力を倍増させる。

ユ・ジェミョンは、「この映画は見たことのない言語だった。この映画自体がひとつのジャンルのような感じ。奇怪で馴染みながく、善と悪の曖昧な境界で選択が続く部分などが面白かったし、余韻も濃くて良かった。幸い、多くの方から良い評価を受けて気持ちいい」と、率直に語った。

チャンボク役については、こう話す。

(写真=ACEMAKER MOVIEWORKS)映画『音もなく』スチール写真

「監督は、チャンボクを通じて大人を見せたかったようだ。大人の形は多様だが、チャンボクは正義を装いながら、気兼ねなく自分の考えを強要する。それでもっても可愛くてユーモラス、親しみのある部分もうまく調和させるのが私の役目だった。セリフが多かったため、リズムとテンポが遅れないように気を配った」

若手俳優ユ・アインとの共演はどうだったのだろう。

ユ・ジェミョンは、「テイン(ユ・アインの役名)はセリフがないキャラクターにも関わらず、互いに息を合わせるのが難しくなかった。喋らないだけで、目と体で表現するしていた。自由奔放でセンスがあり、感覚的で自信にあふれ、研究もたくさんする俳優だ。多様な魅力があるので、次の作品も見たい」とユ・アインを称賛し、「チョ・スンウ、パク・ソジュンもそうだが、私は本当に共演俳優に恵まれているみたいだ」と微笑んだ。

ドラマから映画まで幅広く活躍中のユ・ジェミョン。

演劇で磨き上げた実力で映像作品にも早く定着したが、その歳月は決して短くなかった。彼は「演劇をした経験を今回の作品でうまく生かせた」と振り返り、「愛されることに感謝している。私はいつも悩んでいるし、はたして頑張ったのかと自分自身に問い返す。こういう気持ちを忘れないよう心がけている」と強調した。

(写真=ACEMAKER MOVIEWORKS)ユ・ジェミョン

「自分をほめるとすれば、白髪」

ドラマ『恋のスケッチ ~応答せよ1988~』を通じて世間に名を知られたユ・ジェミョンは、その後に『秘密の森』や『梨泰院クラス』といった話題作に立て続けて出演し、強烈な印象を残した。俳優としての地位を確立したのはもちろん、家庭を築いて父になるなど、人間的にも成長を遂げる時間だった。

「脇役の時は、任された役だけ上手く演じれば良かったが、役割が大きくなるにつれて全体を引っ張っていく演技をしなければならず、怖くなるのも事実だ。幸い、これまでは大目に見ていただけたが、これからは多分、叱られる一方じゃないだろうか。また、家庭を築いたひとりの人間に戻れば違うと思われがちだが、意外なことに大きく変わらない。ただ、確かに以前より努力が必要そうだ。体力管理や健康維持のために頑張っている」

ユ・ジェミョンは最後に「一生懸命走ってきた結果、数え切れないほど良い作品に出会えたし、今回ご一緒できた『音もなく』も嬉しい仕事だった」と言い、「自分をほめるとすれば、白髪を挙げたい。上手くなりたかったし、上手くやるしかなかった。そのために悩みも多かったので、それが白髪として現れたのだと思う。自信を持ってよくやったとは言えないが、今のように一生懸命に管理し、賢く前に進んでいきたい」と淡々と述べた。

(写真=ACEMAKER MOVIEWORKS)ユ・ジェミョン

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