有名ユーチューバーを引退に追い込んだ韓国の“裏広告”規制…テレビ局まで大騒ぎしているワケ

2020年09月16日 話題
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9月1日から韓国で施行された、いわゆる“裏広告”規制の影響が大きい。

なかでも該当事項がないと考えていたテレビ放送局は、PPLが含まれたネット上の動画にも同じ規制が適用されるとわかり、遅れて非常事態に陥った状況だ。

最近、韓国の有名ユーチューバーに対する“裏広告”の議論が巻き起こり、謝罪や引退宣言が続いた。ここでいう“裏広告”とは、企業から広告費を受けていたにもかかわらず、それを明示せず、まるで自腹で購入したように商品を紹介したりすることを指す。

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そんな議論が続くと、韓国公正取引委員会が問題解決のために新しい推奨保証審査指針のガイドラインを8月31日に公開し、9月1日から施行した。特に公正取引委員会は、ドラマなどに広告主の商品やサービスを登場させる間接広告「PPL」が入る場合、テレビ局がYouTubeやオンラインに公開するときは広告であることを通知しなければならないと明示した。

「同じコンテンツでも消費者がそれに接する方式と媒体はそれぞれ異なる場合があるため、それに従って該当コンテンツが広告を含むかどうかという消費者の認識も変わる可能性がある」というのが、韓国公正取引委員会の説明だ。

ネット上に公開した無数の動画も対象

韓国公正取引委員会の趣旨を反映するためには、テレビ局が過去に公開した動画にPPLが含まれているかどうかを再度チェックする必要がある。公正取引委員会が過去に制作された掲示物にも広告主との経済的利害関係を表示しなければ、広告表示法上の不当な表示広告に該当する可能性があると明らかにしたからだ。

韓国の各テレビ局が公開しているネット上の動画

そういったガイドラインに対して、テレビ関係者は戸惑いを隠せずにいる。去る6月に発表された推薦保証審査指針の改正案には、テレビ局のPPL動画についての言及はなかったからだ。“裏広告”の規制を避けるために準備をしてきたユーチューバーたちとは異なり、テレビ局側は公正取引委員会のガイドライン公開から一日で、数多くの動画をチェックする必要に迫られた。

韓国テレビ業界は現在、数十万件に及ぶ動画のなかからPPLが含まれている動画を区別するのは、現実的に難しいと口をそろえている。

テレビ局が運営するYouTubeチャンネルは、テレビで放送されたバラエティやドラマの内容の一部を3~10分ほどの動画に編集して公開しているため、その量が膨大だ。実際にYouTube内のSBSドラマチャンネルには33万件、KBSドラマチャンネルにも10万件を超えるコンテンツが公開されている。JTBCとtvNのYouTubeチャンネルにも5万件余りの動画が存在する。そこにテレビ局が運用しているSNSなどを含めると、その数は無数に増える。

とある地上波テレビ局の関係者は「現在、内部的に対策を講じているが、実際にはまだ何も決まっていない状況だ。突然施行されたガイドラインに従って、すぐに数多くの掲示物をチェックして修正するのは現実的に難しい」と吐露した。

別の関係者も「最近なって、ようやく人気バラエティ番組で広告を前面に出し、PPLであることを明かすケースが増えたが、数年前に作られた動画に登場した商品や場所がPPLかどうかを区別するためには多くの制約がある」と述べた。

「テレビ局が率先すべき」の声も

広告表示をしていないすべてのPPLを“裏広告”と見ることに、疑問を感じているとの声もあった。

最近、地上波テレビ局は「商品の名称やロゴなどを露出させるだけのPPLは、商品に関する嘘の情報や他の商品を誹謗する内容を含めることができない形態の広告であるため、“不当な表示・広告”に該当すると見るのは難しい」という公式の立場を集め、公正取引委員会に伝えたことがわかった。

一方で、テレビ局が率先すべきという声もある。ある業界関係者は「広告主やユーチューバー、インフルエンサーたちに規制を適用し、テレビ局のPPLだけを例外とすることはできない」とし、「健全なコンテンツ環境のためにはテレビ局が先に呼び水の役割をしなければならない」と強調した。

また他の広告関係者は、「一部では今回の広告規制がインフルエンサーの生態系を破壊するという声もある。テレビ局のYouTubeチャンネルに掲載されている動画は事実上、再編集あるいはハイライト性のコンテンツであるため、膨大な量という難しさはあるが、広告表示をしたところで大きな被害を受けることはないだろう」と付け加えた。

韓国公正取引委員会も過去の動画の修正には多くの時間が必要であることを認識しており、啓蒙期間を提供するという立場を明らかにした状態だ。韓国政府が動画コンテンツの広告表示規制を厳格に適用すると宣言しただけに、テレビ局も対策方案を講じるために努力しているという説明だ。

数年前から韓国で提起されてきた“裏広告”問題。根絶に向けて本格的に動き出したが、その過程で必然的に出てくるさまざまなノイズをどう解決していくか、業界の関心が高まっている。

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