新人女優・唐田えりかが語る「日韓の架け橋になりたい」という夢【連載コラム】

2018年09月25日 話題
唐田えりかをご存じだろうか。

その名を知らずとも、LG電子のスマートフォンのCMに登場する美少女と言えばピンと来る読者が多いもかもしれない。最近は、人気アーティストであるナオルのミュージックビデオ『記憶の空いた場所』にも出演する彼女は、実は日本の新進女優である。最近も日本で初の主演作となる映画『寝ても覚めても』が公開になった。

同作は芥川賞作家・柴崎友香の同名恋愛小説を映画化したもので、「第71回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門にも出品されている。

先日、そんな彼女をインタビューする機会があった。カンヌ映画祭で韓国メディアからの取材も受けたという彼女は、とても嬉しそうだった。

「韓国でも注目していただいているのは、素直にうれしいです。月に一度くらいは韓国でもお仕事をしているのですが、最近は韓国でも私の存在が知られていることを実感しています。この前は、ソウルの弘大を歩いていたとき、若い男の子から“エリカ!”と名前を呼ばれてびっくりしました。突然のことだったし、まさか韓国の街中で声をかけられるとは思っていなかったので、動揺してしまいましたよ(笑)」
(写真=著者撮影)取材中の唐田えりか
日本では広末涼子など人気女優が属するフラウ・インターナショナルに属する唐田だが、韓国では俳優イ・ビョンホンや女優ハン・ヒョジュなどが所属するBHエンターテインメントが彼女のマネージメントを担当しているという。ただ、憧れの俳優は意外な人物だった。

「もちろん、ハン・ヒョジュさんやイ・ビョンホンさんの作品も大好きですし、韓国映画もよく観ていますよ。特にペ・ドゥナさんや、ヤン・イクチュンさんの演技が大好きで、観るたびに感動しています。お二人とも、演技を演技と感じさせないというか、すごくリアルで、お芝居に圧倒されて、なぜか泣いてしまうほどです」

屈託ない笑顔でそう語る純粋さが彼女の魅力なのだろう。もともとは牧場でアルバイトとしていた頃にスカウトされて芸能界入りしたというだけあって、素朴で無欲で正直だ。日本と韓国の両方で芸能活動を行っている彼女は、日本と韓国の撮影方法にも違いをあるという。

「日本だと、スケジュールがきっちり決まっていて、その通りに撮影が進むことが多いんですが、韓国は全体的に柔軟な印象ですね。例えば韓国では、監督がその場で思いついたことをすぐに試してみることもありました。良いものを作れるなら予定通りにいかなくてもいいという考え方なのでしょうね。雰囲気は違っても、作品をより良くしたいという気持ちは日本も韓国も変わりません。私はどちらの現場も好きですね」

そんな彼女はさらに多くの経験を積み、女優としてさまざまな作品に挑戦したいと思っている。その中にはもちろん、韓国のドラマや映画もある。韓国のドラマや映画で活躍する日本の演技者と言えば、古くはユミンこと笛木優子、最近では藤井美菜や大谷亮平がその代表格だが、唐田えりかもいつか日韓を股にかけた芸能活動を展開したいと思っているという。

「家庭教師から韓国語を教わっているんです。まだ簡単な単語がわかるぐらいですが、韓国でも私のことをもっと知ってもらって、いつか日本と韓国の架け橋になりたいというのが大きな夢でもあります」

日本の若手女優が日本と韓国の両方でフィルモグラフィーを重ねていき、カンヌ国際映画祭やハリウッドなど世界に羽ばたく。唐田とのインタビューは、「いつかそんな日が来るかもしれない」「そんな日が来ることも悪くない」と思わせてくれる、さわやかで爽快な時間だった。

(文=慎 武宏)

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