韓国が“転売天国”の理由 アイドルのチケットは2万円が86万円に、簡単に取り締まれない理由

2025年10月09日 ニュース

韓国でコンサートチケットの不正転売が急増しているにもかかわらず、取り締まりの人員や対応体制は極めて不足していることが明らかになった。

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韓国与党「共に民主党」のパク・スヒョン議員が文化体育観光部から提出を受けた「公演分野のダフ屋取引通報現況」(2020年~2025年8月)によると、2020年には359件だった通報件数が2022年には4224件と10倍以上に急増。その後も2023年が2161件、2024年が2224件と、コロナ禍以前を大きく上回る水準を維持している。今年は8月までにすでに1020件が寄せられている。

パク・スヒョン議員
(写真提供=パク・スヒョン議員室)パク・スヒョン議員

深刻さは具体的事例からも明らかだ。芸術経営支援センターが運営する公演芸術統合ネットワークによると、今年10月31日~11月2日に行われる人気アイドルグループNCT WISHのコンサートでは、正規価格15万4000ウォン(約1万6580円)の視野制限付き一般席が最低36万ウォン(約3万8760円)で取引され、19万8000ウォン(2万1320円)のVIPチケットはなんと40倍超の800万ウォン(約86万1420円)にまで高騰していた。

現行の公演法では不正販売行為が禁じられているが、摘発には「マクロなど不正手段を用いた予約」かつ「高額転売」という両方の条件を満たす必要がある。チケット販売会社がそれらを同時に証明し、捜査機関に提供するのは現実的に困難で、実際には通報に依存するケースが大半である。

2023年から2025年8月までの通報件数のうち有効通報と分類されたのは306件(約5.6%)にとどまり、その中で各販売元と協力して発券取消など実質的措置に至ったのは206件にすぎなかった。

NCT WISH
(写真提供=OSEN)NCT WISH

さらに政府の対応も不十分だ。韓国コンテンツ振興院の公正共生センターが運営する「大衆文化芸術分野オンラインダフ屋通報センター」の専任担当者はわずか1人で、この職員も他業務を兼務している状況である。

こうした現状を踏まえ、パク議員は「文化体育観光部は専任の人員を拡充し、不正予約後の高額転売行為をリアルタイムで監視・対応する先制的措置が必要だ」と指摘。さらに「ダフ屋取引が中古取引プラットフォームを中心に急速に拡大しているにもかかわらず、政府が消極的対応にとどまっているのは深刻な問題だ。現行の処罰は軽すぎる。より強力な罰則規定が求められる」と強調した。

そのうえで「ダフ屋根絶のためには、政府機関・販売会社・プラットフォームの協力体制強化が急務だ」と付け加えた。

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