R-18ドラマ『夫婦の世界』最終回28.4%でケーブル史上最高記録。その意味は?

2020年05月18日 テレビ #韓国ドラマ

韓国JTBCドラマ『夫婦の世界』(原題)が、「19禁」(日本のR-18にあたる)指定と「不倫ドラマ」という制約の中でもケーブル局のテレビドラマの最高視聴率を塗り替え、有終の美を飾った。

5月16日に放送された最終回の視聴率は、全国28.4%(有料世帯基準、ニールセンコリア調べ)を記録、ケーブル局ドラマ史上最高記録で終わりを迎えた。

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これはケーブル局のドラマの中で1位を記録した、同局のヒット作『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』の23.779%よりもはるかに高い。第12話で早くもこの記録を超えた『夫婦の世界』は、最後まで自己記録を塗り替え、熱い関心を証明した。

『夫婦の世界』が残した新記録は意味深いものとなった。

「不倫」は韓国ドラマの定番テーマの1つで、男女の危うい出会いが視聴率を高めるきっかけになるが、それだけ視聴者を説得するのも難しい。しかし、『夫婦の世界』は違った。不倫をサスペンス的に紐解き、愛憎劇の新しい可能性を切り開いたのだ。

決して現実的だったとは言えないが、今までの不倫ドラマとコードが違ったことは明らかだ。

毎回、視聴者の予想から一歩進んだ展開で衝撃を与え、16話まで続く密度の高い展開も視聴者の視線を釘付けにした。

ドラマ序盤ではイ・テオの不倫を知ったチ・ソヌが、夫の不倫にどう対抗するか好奇心を高め、その後もイ・テオから息子の親権を守ろうとする壮絶さが視線を集めている。

(写真=JTBCスタジオ)

中盤からは夫婦だけでなく子と親との関係に対する心理描写が目立った。終盤はチ・ソヌのナレーションを通じて愛と関係の本質を語り、視聴者に深い余韻を残した。

ドラマに蓋然性を加えることが出来たのは、しっかりとした原作をもとにする脚本と、モ・ワンイル監督の緊張感溢れる演出、そして俳優たちの名演技が一役買っている。

特にキム・ヒエが繰り広げた複雑な感情の演技は、彼女の新たな“代表キャラクター”を誕生させた。また、パク・ヘジュンは浮気に対して「恋に落ちたのが罪じゃないだろ!」と叫ぶイ・テオの厚かましさを完璧に演じきった。

ベテラン俳優2人の演技がドラマの品格を高めた一方、もう一つ収穫は新人女優ハン・ソヒだ。華やかな美貌で視線を集めたハン・ソヒは、ドラマの終盤でイ・テオに裏切りられ、揺れるキャラクターを見事に演じて存在感を発揮した。

他にもイ・ムセン、キム・ヨンミン、パク・ソンヨン、シム・ウヌなど助演俳優たちの徹底した演技もドラマの完成度を上げている。

『夫婦の世界』が残したもう1つの点は「19禁ドラマ」の新世界を開いたという点だ。

『夫婦の世界』は19禁という参入障壁を乗り越え、ケーブル局テレビドラマ史上最高視聴率を打ち立てたという点で、韓国ドラマの新たな道を切り開いたとの好評を得ている。

もちろん扇情性、暴力性の論争は『夫婦の世界』の足を引っ張った。韓国放送通信審議委員会に寄せられた関連苦情だけでも約1600件に及ぶとされ、19禁ドラマが解決すべき課題を提示している。

あるドラマ関係者は「イギリスBBCドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』を原作とする『夫婦の世界』は、リメイクドラマとしても新記録を打ち立てた。原作の枠を維持しながらも、文化的ギャップをなくし、キャラクターや背景を韓国化している。アメリカ、イギリスのリメイク作が増える傾向に良い先例として残るだろう」と語っている。

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