アイドルの不適切な勤務態度がきっかけとなり、社会服務要員の出退勤などをデジタル管理できるようにするための兵役法改正案が韓国国会で発議された。
この法案では、兵務庁長が各機関の責任者に対し、社会服務要員の出退勤・休暇・欠勤の状況をデジタル管理するよう義務づける内容が盛り込まれており、「ソン・ミノ再発防止法」とも呼ばれている。
そもそも社会服務要員とは、韓国の兵役制度において、身体的・精神的な理由などで軍勤務が困難と判断された者が、福祉施設や公共機関などで非軍事的な任務に従事する制度だ。今回、このような法案が提出された背景には、ボーイズグループWINNERに所属するソン・ミノの“ずさんな服務”がある。
彼は2023年3月から社会服務要員として服務していたが、長期間にわたって出勤しなかった疑惑が持たれていた。現在は警察の調査を受け、疑惑の多くを認めたとされている。
ソン・ミノの問題は、現行制度における管理体制の限界を浮き彫りにした。
現在、社会服務要員の勤務や生活管理は、兵務庁に所属する「社会服務要員担当指導官」が担っている。しかし、全国に配置されている指導官はわずか114人しかおらず、服務中の社会服務要員は約4万6000人にのぼる。つまり、1人の指導官が約400人以上を管理していることになり、実質的には目が行き届かない状態が続いているわけだ。
兵務庁関係者も問題を認めており、「服務態度をめぐる問題を認識しており、行政安全部と協議して指導官の人員拡充や管理の効率化を進めている」と明かした。
ソン・ミノの一件を契機に、これまで見過ごされてきた社会服務要員の管理体制の問題点が次々と浮き彫りになり、兵役制度の信頼性そのものが問われている。
今回の法改正案が成立すれば、社会服務要員の勤務状況はデジタルシステムで明確に把握できるようになり、不正や不誠実な勤務の防止に寄与するものとみられている。再発防止と制度の信頼回復に向け、今後の国会審議に注目が集まっている。
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