中居正広に高比良くるま。日本では昨今、不祥事によって出演シーンカット、お蔵入りとなるケースが多発している。
しかし、それは日本に限ったことではなく、お隣の韓国も同じだ。特に、韓国では数年前から役者の“学生時代のいじめ”が告発される流れが続いており、ドラマ業界、映画業界のダメージが著しい。
そんななか、2月26日から動画配信サービスWavveとWatchaでスタートするドラマ『チジルの歴史』も、その渦中にある。
本作は、漫画家キム・プンの同名人気ウェブトゥーンを原作とした作品で、2013年の連載開始以来、長年にわたりランキング上位をキープするほどの人気を誇る。ミュージカル化やドラマ化も決定していたが、その道のりは決して順調ではなかった。
『チジルの歴史』は、主人公ソ・ミンギ(演チョ・ビョンギュ)が恋愛において繰り広げる"チジル(ダサい)"な行動を描いた作品。そのイライラさせるストーリーが共感を呼び、「発がんキャラ(=見ているだけでストレスがたまるキャラ)」というネットスラングの元祖とも言われている。
しかし、期待とは裏腹に、本作は数々のトラブルを抱えたまま配信を迎えることとなった。
まず、主演のチョ・ビョンギュは2021年にいじめ加害者と告発された。だが、告発者が最終的に事情聴取に応じなかったことなどから疑惑は未解決のまま。
一方、ヒロイン役のソン・ハユンに関しては、2024年4月に元同級生と名乗る人物が「彼女に90分間ビンタされるなどの暴力を受けた」「その後、別の暴力事件に関与し転校した」と暴露。この告発後、ソン・ハユンは活動を全面休止し、現在も自粛中。彼女のいじめ疑惑は、ほぼ事実とされており、『チジルの歴史』にとっては大きな“爆弾”となっている。
実は、『チジルの歴史』の撮影は2022年にすでに終了しているのだ。しかし、上記2人のいじめ疑惑が相次いで浮上したため、配信が延期されていたのだ。ようやく公開にこぎつけたわけだが、3年前に撮影された作品のため作風が古く感じられるのではないかとの懸念もある。
それだけではない。制作陣は撮影現場でのトラブルも抱えていた。
撮影当時、消防車の通行区域に撮影機材を積んだトラックを駐車し、周辺住民から苦情が殺到。制作陣はのちに「直接お詫びを申し上げた」と謝罪したものの、相次ぐトラブルで悪印象は拭えない。
原作者のキム・プンも、自身のインスタグラムで「気が狂いそうだ(笑)」と投稿し、困惑した心境を明かしていた。
このような紆余曲折を経て、様々な問題を抱えながらも、ようやく配信が決定した『チジルの歴史』。WavveとWatchaは、主演俳優にフォーカスを当てた宣伝は行わない方針を固めた。
公開されたティザー映像では、ソン・ハユンの出演シーンがすべてカット。ただし、関係者によると、本編では彼女のシーンは大幅に削除されていないという。
“負の遺産”を抱えたまま公開される『チジルの歴史』は、果たして成功を収めることができるのか。ドラマファンの注目が集まっている。
(記事提供=OSEN)
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