警戒心を与えるためだった歌手ジェジュンのエイプリルフールの冗談は、彼の足を引っ張る結果にしかならなかった。
誰も笑わなかったジェジュンの「新型コロナウイルスに感染した」との嘘は、日増しに波紋が広がり続けている。彼自身は新型コロナの深刻さと警戒心を呼び起こす意図だったと釈明したが、あまりに軽率すぎる言動は失望感しか生んでいない。
【全文】「冗談にしては悪質」…ジェジュンの“新型コロナ感染”投稿とは?
ジェジュンは去る4月1日、自身のSNSを通じて新型コロナに感染したと告白した。しかし1時間ほどでその文章は消え、彼の言い訳と釈明の文章に更新された。
非難が殺到したことで結局は投稿を削除することとなり、再度謝罪もした。だが“時すでに遅し”だった。
ジェジュンの意図を理解できないでもないが、世界中が新型コロナによって日常を奪われ、生死が問われる今現在、一線を超えたいたずらであったことだけは間違いない。
その後に続いたジェジュンの釈明と謝罪は、さらに火をつける結果にしかならなかった。
自業自得の結果として、彼の芸能活動にもブレーキがかかっている。
主に日本で活動中のジェジュンは、“コロナ嘘投稿”の前日にも日本の番組に出演しており、当日4月1日午後にもNHKのラジオに出演予定だった。
しかし波紋が広がるとラジオ出演は突然キャンセルされ、4月3日に予定されていた『ミュージックステーション3時間SP』の出演も見合わせることとなった。さらに4月5日の『The Covers』の出演もキャンセルされるという。
ジェジュンの日本における活動期のなかで、最も大きな危機の瞬間だ。
そもそもジェジュンは新型コロナの脅威のなかでも日本に滞在し、活発に芸能活動を続けてきた。それほど日本で認知度が高いアーティストであり、彼の主な活動舞台も日本だからだ。
2019年にTV朝鮮の『恋愛の味3』のパネルとして出演して韓国放送にも復帰し、旅行番組にも挑戦した。当時ジェジュンは、韓国活動に対する感激の思いを伝えた。
苦労を重ねながら日本と韓国を行き来して活動する土台を築いたわけだが、今回の事態でその努力を自ら投げ捨ててしまったわけだ。
ある関係者は「今年上半期も日本での活動スケジュールがたくさん残っているが、どのように整理されるか未定」と伝えた。
ジェジュン自身だけの問題ではない。
日本で韓流スターの代名詞として活動していたため、韓流スターの名にも泥を塗ることとなった。TWICEやSEVENTEEN、Stray Kidsなど、後輩らが熱心に日本で活動しているなかで、冷水を浴びせた格好だ。
海外メディアまでもジェジュンの“嘘投稿”に注目した。
4月1日(現地時間)、アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』は、「K-POPスターの新型コロナに関連するエイプリルフールのジョークに、ファンは誰も笑わなかった」という記事を掲載した。
『ニューヨーク・タイムズ』は「大多数にとって新型コロナは笑うことができないことだが、キム・ジェジュンは約200万人のフォロワーがいるSNSを通じて、感染したふりをした。多くのファンは彼を心配したが、1時間も経たないうちにいたずらを認めた。ファンの支持は怒りに変わった」と、ジェジュンの行動を批判した。
悪い意味で国際的に韓流スターが注目を集めてしまったわけだ。
ジェジュンは自ら招いた今回の危機をどのように突破するだろうか。
ひとまずは日本での活動を続けていくのではないかという推測が出ている。
現地関係者は「ジェジュンは主に日本のスケジュールを消化するため、日本の所属事務所と活動している」とし、「韓国での公演や作品がないので、日本に引き続き滞在していた状況だ。日本ではテレビにも比較的自由に出演することができるので、日本での活動はあきらめないようだ」と明かした。
エイプリルフールに度を超えた嘘をついたことで、法的な処罰の可能性も示唆されたが、中央災難安全対策本部側は「法的処罰は難しい」との立場を伝えた。
それでも道義的な責任からは、逃れることはできない。ジェジュンは怒れる大衆の心を元に戻すことができるだろうか。真心を込めた謝罪が必要なときだ。
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