Netflixドラマ『キングダム』、脚本家キム・ウニが見せた“こだわり”【インタビュー】

2020年03月25日 話題 #韓国ドラマ

韓国ドラマ『サイン』(2011年)、『ファントム』(2012年)、『シグナル 』(2016年)など、多様なジャンルと専門的な素材を通じてドラマ業界に一線を画している“売れっ子”脚本家のキム・ウニ。

昨年からは、Netflixオリジナルシリーズ『キングダム』を執筆し、国内外に“Kゾンビ”旋風を巻き起こしながら存在感を放っている。

3月13日から配信中の『キングダム』シーズン2は、新型コロナウイルス19の感染拡大で混乱する現状に当てはまる内容で、話題を集めた。

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キム・ウニは開口一番、「韓国だけでなく、世界的に苦しい状況だ。劇中のソビのセリフのように、春が来ればこの全ての悪夢が終わりますようにと願う」と話す。

『キングダム』の細かい設定がドラマファンの熱狂的な反響を得ているなか、劇中、事の発端となった「生死草」についてはこう説明した。

「そもそも、寄生虫やウイルスに対して興味があった。外国から入ったものが生態系を乱す場合があるように、生死草も、はたして誰が外国から持ち込んだのか、どんな目的を持つのかという秘密を抱えている」

登場人物の衣装に関しても、高いこだわりを感じさせた。

(写真提供=Netflix)脚本家キム・ウニ

「白い喪服を着せたのは、人々の辛い内面を表現できると思ったからだ。とある本で、(韓国人は)辛さを抱えているからこそ白い服を好む“白衣民族”ではないか、いう部分を読んでぴんと来た。特にイ・チャン(演者チュ・ジフン)が漢陽(ハニャン)に帰ってきたときは、自分が喪主を務めるべき場所に入っていく感じがあったらいいなと思った。王妃が最期を迎えるときに大礼服を着ていたのも、決して権威を失わなず、チャン世子の母として存在し続けるという意味を持つ。監督が上手く具現してくださった」

各キャラクターへの愛着もうかがわせる。

俳優キム・ソンギュ扮する「ヨンシン」については「すごく名残惜しい」とし、「シーズン3では、庶民の話をもっと増やす予定だ。彼らの人生に迫る話になりそう。ヨンシンがなぜ偽名を使うのか、どうしてこんな暮らしをしているのかも少し出てきそうだ」と話した。

演技はもちろん、キャラクター的にも成長を見せた王妃(演者キム・ヘジュン)についてはこう語る。

「文献を読んでみたら、王妃になったところで息子を産めなかったら追い出されることがあった。チョ家の娘として、恵まれた生活をした王妃だったが、女という理由で無視され、顔も知らない老いた王と結婚するしかない運命だった。チョ・ハクチュの血を受け継いだのだから、権力欲があって賢かったはず。だからそうやって勝つ方法を考えたのだろう。一方で、医女のソビ(演者ペ・ドゥナ)は貧乏だったが、自分が正しいと思うことや、自我の実現のために賢く生きてきた。こんな2人の女性を対比させたかった」

シーズン2で“切り札”となった、イ・チャンの師匠・アニョン大監(演者ホ・ジュノ)のラストシーンについても触れた。

「彼らしい最期は何かと悩んだ。尊敬される人物だが、犠牲がないなら真実を知らるのが難しいと思った。あの(最期の)シーンを書くときにすごく悩ましかったが、彼らしい最期になったと思う」

劇中、さまざまな人間模様が出てくるが、特に「医女・ソビを上手く描きたかった。まだ答えはないけれど、真実に近づこうと頑張る現代の医者や科学者の姿だ。そんな格好いい女性医師の姿を描いていきたい」と、ソビへの愛着を示した。

(写真提供=Netflix)脚本家キム・ウニ

シーズン2の“画竜点睛”は、エンディングを飾った女優チョン・ジヒョンだろう。短い登場にもかかわらず、強烈なインパクトを与えたチョン・ジヒョンについてはこう語る。

「ダメ元でオファーしたが、快く引き受けてくださった。朝鮮半島で暮らす女真族の女性キャラクターだが、チョン・ジヒョンさんが適役だと思っていた。シーズン3で重要な役割を担うキャラクターなので悩んだけれど、もっとも満足できる結果となった」

多くの人に支持されるドラマを描き続けているキム・ウニの想像力は、どこから来るのか。彼女は「基本的に人がすごく好きだ。人々と会って『こんな話をこう変えたらどう思う?』とかの話をするのが好きだ」と言う。

最後には、韓国ドラマの新しい歴史を刻んだ『キングダム』に対する想いを述べた。

「前作より新しかったか、停滞してはいないか常に悩んでいる。もっと新鮮なドラマや映像作品を残したいし、『キングダム』の海外視聴者からも『新鮮だ!』と言われたい。もちろん『新鮮かつ面白い』となれば最高です(笑)」

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