1953年、サムスングループ初の製造業「第一製糖工業株式会社」から始まったCJグループ。現在は食品製造業のほか、物流、建設、映画、エンタメなど、多岐にわたる企業を傘下に収めている、韓国の一流企業グループだ。
そんなCJグループは11月18日、持ち株会社の「CJ株式会社」の経営支援代表として、シネコン事業を手掛ける「CJ CGV」のホ・ミンフェ代表取締役を選任するという内容などが含まれた2025定期役員人事を断行した。
今回の人事は、グループの核心価値である「ONLY ONE精神」の再建に焦点を合わせたとCJは説明している。グループ全般のスピード感あふれるバリューアップを実行するため、主要系列会社のCEOの大部分が留任し、最高の人材を中心に傘下経営陣を改編。グループ初となる“30代のCEO”を果敢に抜擢するなど、若い人材の選抜に踏み切っている。
CJはCJ株式会社の従来の2人代表体制を維持し、新任のホ・ミンフェ代表が経営支援代表を務め、グループ全般の対外業務を総括する。経営代表と経営支援代表を兼ねていたキム・ホンギ代表は経営代表職を引き受ける。
ホ・ミンフェ代表は1986年に第一製糖に新人写真として入社し、CJフードビル代表取締役、CJオリーブネットワークス総括代表、CJ第一製糖・経営支援総括、CJオーショッピング代表取締役、CJ ENM代表取締役などを歴任してきた。2020年からはCJ CGVの代表取締役を務め、新型コロナの影響で傾いたシネコン事業の構造革新と収益性の改善を導いたという。
続いて、エンタメ、通販事業を担当しているCJ ENMのエンターテインメント部門とコマース部門代表を兼任していたユン・サンヒョン代表は、同社の代表取締役とエンターテインメント部門代表を兼業し、コンテンツ事業の競争力強化に注力する。
そしてCJ ENMコマース部門の代表には、同部門のイ・ソンヨン事業総括が内部昇進する。イ・ソンヨン新代表は2000年、CJオーショッピングに新卒入社し、CJ ENMコマース部門のブランド事業部長、MD(マーチャンダイジング)本部長などを経ている。特に、「メディアコマースキュレーションプラットフォーム」進化を推進し、「ワンプラットフォーム戦略」をベースとした新商品カテゴリー、ブランドを発掘したことで、社内競争力を高めた成果が認められての昇進だ。
ほかにもCJ CGVの新任代表には、トルコ法人長のチョン・ジョンミン氏が内定している。2012年にCJ CGVに合流し、マーケティング担当、国内事業本部長などを担当し、2020年からトルコ法人を総括。事業構造に革新を起こし、効率的な運営を通じて事業の健全性を回復させたことが評価されと見られる。
また、グループ初の“90年代生まれ”のCEOも抜擢されている。CJ CGVの子会社CJ 4DPLEXの新任代表には、1990年生まれのバン・ジュンシク経営リーダーが内定。コンテンツ競争力をベースに劇場事業の革新とグローバル事業の拡大を主導するため、若い人材の役割を拡大したという。
パン・ジュンシク新任代表は2018年、「4DX」を開発・研究したCJ 4DPLEXに合流し、コンテンツ事業チーム長、コンテンツ事業革新TF長などを歴任している。今年2月からはコンテンツ本部長を務め、BTSの『Yet to Come in Cinemas』、Coldplayの『Coldplay Music Of The Spheres: Live at River Plate』など、ScreenX技術を適用したCGV特化コンテンツを多数企画し、世界にも流通するなど、売上の成長に大きく寄与した。CJ 4DPLEXの2023年の売上高は、2019年よりも2倍以上成長している。
そのほか新任の経営リーダーには21人が名を連ねており、職級と年齢に関係なく、優秀な人材が抜擢されている。新経営リーダーの平均年齢は44.9歳で、1980年代生まれが12人だ。
CJ関係者は「“安定の中の刷新”を基調に、功績をあげた者への昇進がなされた人事」として、「グループは最高の人材を適材適所に配置するという原則により、随時、能力と成果中心の人事を年中継続する」と話している。
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