韓国芸能界の重鎮が「T-ARAいじめ騒動」について初告白した。
【写真】T-ARAヒョミン、いじめ騒動で辛かった過去を振り返る
“重鎮”キム・グァンス代表は、11月9日午後に放送されたMBNのバラエティ番組『カボジャGO!』(原題)に出演した。
キム・グァンス代表は1985年から韓国芸能界で活躍した敏腕マネージャー兼プロデューサーで、歌手のイ・ヒョリ、チョ・ソンモ、SG Wannabe、コメディアンのイ・ヨンジャ、俳優のイ・ウィジョン、チョン・ジュノ、ソン・スンホン、ク・ボンスン、イ・ミヨンなどを発掘した。
番組では40年間の芸能界での経験を振り返りながら、「T-ARAいじめ事件」を最も苦しかった時期として挙げた。「私はあの有名なT-ARA事件でどん底に落ちた」と語り始めた。
T-ARAは2009年にデビューし、早々と人気を獲得したが、2010年に加入したリュ・ファヨンが2012年にメンバーたちと不和を起こし、いわゆる「いじめ騒動」へと発展。最終的にファヨンはグループから脱退したが、T-ARAには「いじめ問題」のレッテルが貼られたことで人気絶頂から転落した。
また、メンバーのハム・ウンジョンは当時出演していたSBSドラマから降板し、日本で予定されていたコンサートもキャンセルされるなど、影響は続いた。様々な非難を受けるなか、ファヨンには「いじめ被害者」という応援が、T-ARAには「いじめ加害者」のイメージがついて回ることとなった。
それでもT-ARAは活動を続け、2015年にはハム・ウンジョンが「真実をはっきりと話すことが正しいのに、全てを公開できない理由がある。ただ批判される人間として生きることにした」と涙ながらに語った。
ファヨンは事件から5年後の2017年、姉のヒョヨンと一緒にバラエティ番組に出演し、いじめ事件について触れて涙を流し、再び話題となった。
しかしこの放送後、T-ARA元スタッフを名乗るネットユーザーが、ファヨンの姉ヒョヨンが当時、T-ARA最年少メンバーだったアラムに送った脅迫メッセージを公開。姉妹は「被害者を装っている」と批判を受けることとなった。
その後、T-ARAはそれぞれの道を歩んでいる。ヒョミン、ウンジョン、キュリ、ジヨンの4人で活動し、デビュー15周年を記念している。一方、ファヨンは女優活動を続けている。
そうした状況を踏まえ、キム代表は語り始めた。
「今は全てが明らかになったが、当時は観客が10分間も拍手をしないこともあった。ファヨンが音楽番組に出演した時、足をくじいた。翌日の海外スケジュールで空港に向かうと、松葉杖をついてきた。マネージャーに“ファヨンが大怪我したのか”と尋ねると、靭帯を傷めただけで骨折ではなかった。他のメンバーはファヨンの欠席を埋めるために20曲近く全てを再練習した。そして公演ではファヨンが1曲だけ歌って、怪我をしているのに舞台に上がったことを褒めてあげた」
「他のT-ARAのメンバーたちは私に、“とても辛かった、ファヨンが謝ってくれたら嬉しい”と言ってきた。その時、公演にメンバーの親御さんたちもいらしていたので、“親御さんもいらっしゃるから、韓国に戻ったらファヨンに謝るように話す”と伝えた。だが、韓国に戻ってすぐにカカオトークが流出し、大騒ぎになった。私としては驚きとショックだった」
さらにキム代表は、「放送で初めて話すことだが、ファヨンとリュ・ヒョヨン姉妹に契約書を持ってくるように言い、それを破り捨てた。“出て行け。条件なしで解放してあげるから、自由に活動しなさい”と言った。だが、インターネット上では私の意図がどうだとか、ファヨンがいじめに遭っていたのではないかと噂が広がった。T-ARAメンバーの親御さんたちは記者会見を開いて、カカオトークも公開しようとされた。しかし、私は若い彼女たちの将来を考えて止めた。“ファヨンとヒョヨンの人生をどうするつもりか”と思って止めた結果、私がすべてを失った。T-ARAには過失はないと判断し、放送を強行した。しかし世間では“キム・グァンスがどれだけの力を持っているのか”という見方をされた。私たちの子たちには何も非がなかったのに」と悔しさを訴えた。
「ここで諦めたら永遠に復活できず、活動もできなくなると判断した。だから“私が悪者になってもいい、全部私が引き受ける、君たちは進むんだ”と決意した。あの時は私にとって大きな危機だった。もしかしたら今もその状況が進行中かもしれない」と話し、今なお当時の傷に苦しんでいる様子を見せた。
「あの時の選択を後悔しているのか」という問いに、キム代表は思わず涙を流した。
「実はT-ARAのメンバーたちが、たまに私の誕生日に来てくれる。その時、私が一番泣いてしまう。申し訳なくて。あの時、もう少し我慢すれば良かったと。彼女たちには本当に申し訳ない。40年のエンターテインメント生活で(T-ARAいじめ事件)は今も彼女たちに最も申し訳ない出来事だ。あの子たちはもっと全盛期を迎えることができたはずなのに、1人の判断が彼女たちの人生を壊したのかと思う。なぜあのような行動を取ったのか、10年以上経った今でもまだ続いていると感じている。エンターテインメント業界40年で最も後悔していることだ」と涙を流して語った。
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