韓国芸能人の最大のリスクとして、“家族の問題”が浮上している。自分自身ではどうすることもできない領域の問題ではあるが、ややもすると芸能活動に致命的な打撃を受けることになるリスクだ。
ラッパーMicrodot(本名シン・ジェホ)の両親に関連した議論が広がるなか、彼の芸能活動を懸念する見通しも出ている。最近、コミュニティサイトやSNSなどではMicrodotの両親が巨額の詐欺を行い、ニュージーランドに逃亡したという噂が広がっていた。所属事務所側は11月19日、「Microdotの両親の詐欺は事実無根で、今後は名誉毀損による法的対応を準備している。告訴など断固たる対処を行う予定だ」と明らかにした。
しかし、過去にMicrodotの父シン氏から詐欺を受けたと主張する人の証言が、さまざまなメディアを通じて続々と登場しているのが現状だ。
現時点でMicrodotの両親が過去に詐欺を行ったかどうかは定かではなく、仮に事実だったとしても、Microdotが過去の両親の罪について責任を負う必要もないだろう。しかし事実として判明した場合、芸能人として活動している彼の活動に支障が出ることは明らかだ。Microdotは昨年、チャンネルAの番組に出演してから、多くの芸能番組で大活躍している。特に同番組を通じて縁を結んだ女優ホン・スヒョンと今夏から恋人関係に発展し、大きな関心を集めていた。
ミュージカル女優パク・ヘミは、夫ファン氏が原因で最近の活動にブレーキがかかった。ファン氏は去る8月、飲酒運転で交通事故を起こし、同乗していた2人が死亡、3人がケガという大惨事を起こした。特にこの事故で亡くなった2人は、パク・ヘミが運営するヘミミュージカルカンパニー所属俳優であった。パク・ヘミはその後、出演中だった作品にも出演予定だった作品にも姿を現さなかった。
歌手ヘ・ウニと女優キョン・ミリも、夫が原因で頭を悩ませた事例だ。ヘ・ウニの夫である俳優キム・ドンヒョンは、実業家A氏から1億ウォン(約1000万円)を借りるも返済せず、裁判となり、9月の第一審で懲役10カ月を宣告された。キョン・ミリの夫であるイ氏は、株価操作を通じて不当な利益を得たとして、11月2日の第一審で懲役4年、罰金25億ウォン(約2億5000万円)を言い渡された。
俳優カン・ドンウォンは、母方の曾祖父である故イ・ジョンマンに親日派疑惑が起き、昨年5月に「歴史と真実について反省して勉強したい」と謝罪した。
Wonder Girlsの元メンバー、パク・イェウンは、父親の詐欺容疑に関連する論議に巻き込まれた。
警察がパク・イェウンが詐欺を共謀したり、投資金を受け取ったりした事実はないとして、容疑なしの結論が下った。歌手チャン・ユンジョンは、母親のユク氏の相次ぐ非難・爆弾発言に何年も頭を悩ませてきた。ユク氏は6月、60代の知人から20回にわたって4億1500万ウォン(約4150万円)を借り、返済していないことから拘束された。
“MeToo騒動”となったチョ・ジェヒョンの娘チョ・ヒェジョンや、夫チョン・ソクウォンの麻薬投薬でコンサート中に涙を流したペク・ジヨンなども、“家族リスク”を経験した芸能人だ。
女優ハン・ヒョジュも、2013年に弟が軍隊で自殺したキム一等兵事件に関係しているという疑惑が浮上し、議論に巻き込まれたが、公式に確認された点はない。
家族が物議を醸したとき、連鎖するように芸能人に責任を問うことが正しいかどうかの問題は、これまで何度も提起されてきた。一部の芸能人に対しては、あまりに過酷な非難や批判を受けているのではないかと擁護する指摘もあった。
ある芸能関係者は、「当然、切り離して考えるべきである。しかし韓国はアメリカなどに比べて、芸能人に求める道徳的基準が厳しい。視聴者やファンからの愛情を糧に生きる芸能人としては、自分が直接関わっていなかったとしても、家族の罪や疑惑に対して耐えなければならないところがある」と慎重に語った。
別の関係者も、「他の家族を通じて芸能界デビューしたり、一緒に活躍したりしているケースは、家族が問題を起こした場合、当然ながらもう片方も致命的な打撃が避けられない。ただ芸能活動とは無関係な家族が問題を起こした場合も、悔しいことだが、芸能人が議論を静めるしかない。パク・ヘミ、カン・ドンウォンのように、公開的な立場表明や謝罪といった適切な方法が必要だ」と話した。
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