「冷静な中にも情熱を」SUPERNOVAグァンス、舞台『脳内ポイズンベリー』に込めた“こだわり”とは? 【インタビュー】

2020年02月29日 話題

『失恋ショコラティエ』や『放課後保健室』といった人気漫画を手掛けた水城せとなの代表作、『脳内ポイズンベリー』が舞台作品に生まれ変わる。本作は、議長の吉田をはじめとした5つの思考が擬人化された脳内会議のメンバーが、携帯小説家・櫻井いちこの脳内で会議を繰り広げる斬新なラブコメディだ。

2015年に映画化された際には、公開から2日で9万人を超える観客動員数を記録して大きな人気を博した本作。来る3月14日に幕を開ける舞台にも大きな期待と注目が集まっている。

そんな舞台『脳内ポイズンベリー』を語るうえで欠かせないのが、記憶をつかさどる岸を演じるSUPERNOVAグァンスの存在だろう。

人気K-POPグループのメンバーとして活躍し、韓国や日本だけでなくグローバルなファンを魅了してきたグァンス。彼が今回演じる岸というキャラクターは、脳内で書記を担当している。主人公の置かれた状況やさまざまな思いを記録するのだが、原作・映画ではいずれも初老の紳士という設定だ。

はたして、グァンスは自分とかけ離れた役柄をどのように描き出すのだろうか。新たな挑戦を前にした彼に、本作の魅力と公演への意気込みを聞いた。

――映画化もされた人気漫画を原作とした舞台ですが、出演が決まったときの感想を聞かせてください。

お話を頂いたときはとても嬉しくて、すぐ原作コミックと映画に目を通しました。その時点で自分自身がすごく物語にのめりこんで、いい作品だなと思ったんです。岸というキャラクターを自分で表現する日が待ち遠しかったです。

――実際に演じてみて、いかがでしたか。

既存作品の影響もあって最初はイメージがポンポン沸いてきたんですけど、実際に稽古が始まると想像以上に難しくて。今まではアクティブなキャラクターを演じることが多かったので、役柄が違うだけでこんなにも演じ方が違うんだと驚きました。それでも、“原作のイメージにとらわれないように”っていうところは意識しましたね。稽古が始まってからは原作も映画も封印して、一度も見ていません(笑)。せっかく舞台作品として蘇るので、僕ならではの新しい岸を誕生させたいなって思います。

――グァンスさんが演じる“岸”ならではの強みや、こだわりはありますか?

岸という人物は記録係を徹底していて脳内会議中も一番理性的なんですけど、実は誰よりも情に厚いのではないかと解釈しています。記録係を務めるということは、常に客観的でなければいけない。そんなもどかしさや内面の情熱を表現しようと努力していますし、僕が舞台で岸をやる意味だとも思っています。少しでも皆さんに伝われば嬉しいです。あとは、そうだな…いつも何かをメモするときはスマホだったんですけど、舞台が決まってからはノートとペンです。岸は365日、ずっとペンを走らせているので(笑)。

――キャラクターが自分と重なる部分はありますか?

僕は直感で動いたり決めたりする性格なので、岸とはかけ離れてると思います。劇中の脳内キャラクターでいうと、完全に“瞬間の感情”のハトコ(演者:斉藤優里)タイプです。

――思考という立ち位置がはっきりしている作品なだけに、実際の性格とのギャップも楽しめそうですね。

そうですね。中でも僕が特にギャップを感じたのは、ネガティブ思考をつかさどる池田役の早霧せいなさん。いつも積極的に話しかけてくれて、スタッフにもとても気を遣ってくれる。現場にとってのポジティブは、早霧さんなんじゃないかなって思ってます。逆に、作品とのギャップを感じないのは市原隼人さん。昔から出演ドラマをよく見させてもらっていたので「ザ・熱血漢」というイメージが強かったけど、稽古中でなくても議長のようにみんなを気遣ってくれます。優しい人柄を感じます。

――今回の舞台は、グァンスさんの新境地になりそうですね。これを機に、今後チャレンジしてみたいキャラクターなどは思い浮かびますか?

そうですね…『脳内ポイズンベリー』の登場人物から挙げるとすれば、“ポジティブ思考”の石橋(演者:本髙克樹)と、主人公が思いを寄せる早乙女(演者:渡辺碧斗)です。とくに早乙女。実は僕、台本を読んだときに早乙女にものすごくイライラしたんですよ。「嫌なやつだなこいつ」と思ってた。ちょっとでも気に入らないことがあると、すぐ「帰る」とか言っちゃうし (笑)。でも実際に稽古が始まってから目の前で渡辺碧斗さんが演じる早乙女を見ると、主人公が惹かれる理由がわかるな~って。魅力的なんですよね。僕もいつか、“なぜか人を惹きつけるような魅力”を表現してみたい、演じてみたいなって思いました。“ポジティブ思考”に関しては自分が普段あまり感情的にならないので、思ったことをすぐに口に出して周りを元気づけられるのは素直にいいなって思います。

――ずばり、舞台の見どころはなんでしょうか。

やっぱり、「カット割りがない」ってところですね。“脳内”と“現実”で世界が分かれているのでカット割りありきの作品という印象が強いかもしれないですけど、舞台はかえってそこを強みにしている。2つの世界がミックスされる演出なんかもあったりして、そういった部分は既存の作品を知っている人ならより楽しめるんじゃないかと思います。

――最後に、ファンや観客の皆さんにメッセージをお願いします。

『脳内ポイズンベリー』は、キャストの皆さんをはじめ、一丸となって一つひとつ丁寧に作り上げている舞台です。すべてのキャラクターの成長を感じられる心に残る物語なので、ぜひ劇場に足を運んでください。僕は今、岸というキャラクターを演じながら本当に毎日を楽しく過ごしています。舞台でしか見せられない姿を披露したいので、応援よろしくお願いします。(了)

舞台『脳内ポイズンベリー』は3月14日(土)~29日(日)まで新国立劇場 中劇場にて上演する。出演は市原隼人、蓮佛美沙子、早霧せいな、グァンス(SUPERNOVA)、本髙克樹(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、斉藤優里、白石隼也、渡辺碧斗、河西智美。

(文=姜 由奈)

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