いつの間にか韓国は、成人向けコンテンツであふれる“クール”な国になったようだ。
6月24日、元2PMのパク・ジェボムは定額制プラットフォーム「Onlyfans(オンリーファンズ)」のアカウントを開設し、「皆さんの支援に感謝し、皆が少し違うことが必要な時に、ここにいることができて嬉しい」として活動を始めた。
Onlyfansとは、利用者が“わいせつ物”を自由に製作してアップロードでき、有料登録者を通じて収益を得る成人向けプラットフォーム。パク・ジェボムはK-POPアーティストとしては初めて、Onlyfansに進出することとなった。
パク・ジェボムはK-POPスターとしては初めてOnlyfansのアカウントを開設したのだが、ほかのSNSで広報する際の写真が物議を醸した。多数のタトゥーが刻まれた上半身を剥きだしにし、赤い女性用アンダーウェアを体に乗せてベッドに横たわっている姿や、ボトムスのみの状態で汗を流しながらファンに挨拶する映像だったのだ。
今回のOnlyfansアカウント開設は、去る6月30日リリースされたニューシングル『McNasty』のPRのためと推測されている。とは言え、単純な広報ツールに成人向けプラットフォームを選択したことに対しては、当然のことながら、世論は否定的な反応を示している。
これまで、ハリウッドスターなどがOnlyfansを活用することは少なくなかったが、良く思われていたわけではない。そのため、成人向けコンテンツに厳しい韓国で、しかも元アイドルの歌手が露出写真などを公開することに対しては拒否感が相次いでいる。
問題は、単純に成人向けプラットフォームだということだけではない。Onlyfansでは最近、強制的な性搾取によって製作された映像が公開される被害が増えているためだ。
加えて、『ロイター通信』は7月2日、Onlyfansには幼児から10代までの未成年者のわいせつ物が数百件も掲載されている状況だと報道。これによると、これまでOnlyfans「厳格な成人専用サイトで、すべてのコンテンツはモニタリングされ、児童の性搾取掲示物は迅速に削除・通報している」と主張していたが、実際は異なっていたという。
問題視されているのはパク・ジェボムだけではない。“AV出演者”の頻繁なウェブバラエティ出演も物議を醸している状況だ。
6月19日にはYouTubeチャンネル『ノーバック タク・ジェフン』に日本のAV女優、小倉由菜がゲストとして登場。彼女は「新作が出たのでたくさん見てほしい」と出演目的を明らかにすることもあった。
問題となったのは、ガールズグループcignatureのジウォンへのセクハラだ。同チャンネルに今シーズンから加入したジウォンに対して、小倉由菜は「人気が出そう。スタイルが良いので、ぜひデビューしてください」と、“デビュー”を勧める発言がそのまま垂れ流された。
この動画には「セクハラだ」という指摘が殺到したため、製作陣は謝罪するとともに問題の場面を編集。しかし、ネットユーザーは編集後もAV俳優の頻繁なウェブバラエティ出演を指摘し、「日陰の文化をなぜ、しきりに日の当たる場所にわざわざ出すのか」と不満を表わしている。
AV俳優の出演は「ノーバック タク・ジェフン」だけではない。CJ ENMが制作する「トルコズ ON THE BLOCK」には、男優しみけんが出演して業界について話を交わしたことがあり、Netflixバラエティ『ココだけの際どい話』では、日本や台湾、オランダ、ドイツなどの成人文化産業にスポットライトを当てている。
“日陰の文化”を日の当たる場所に出す過程では、大きな悩みと議論が必要だが、現在の韓国芸能界からは、そのような悩みの痕跡が見えない。大衆が納得できる議論もなく、ただ刺激的なことを追求する姿、そしてこの過程で起きるセクハラなどの騒動による、大衆の失望感はより一層高まっている。
(記事提供=OSEN)
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