「やたらと飲酒コンテンツが多い理由はなんなのか」
最近、とあるオンラインコミュニティを通じて上がってきた質問だ。多くのオンラインユーザーたちも、雨後の筍のように増えている韓国スターたちの「飲酒放送(お酒を飲みながらトークするコンテンツ)」について疑問を示した。
これは「アルコール=率直な対話の場」という美化で、飲酒文化を煽る恐れがあるという指摘だ。
代表例として、韓国の国民的MCと呼ばれるシン・ドンヨプが個人YouTubeチャンネルを作った。
普段、たびたびテレビでもかなりの酒量を見せてきたシン・ドンヨプ。実際に彼の飲酒放送は、今回が初めてではない。2016年12月から2019年4月まで放映された韓国tvNのバラエティ番組『人生酒場』(原題)にまで遡るが、これは「スターではなく人間として訪れるゲストの話」というコンセプトで、ゲストとお酒を飲みながらトークを交わす番組だった。
当時、“お酒”を使って興味深く安らかなトークを交わすというコンセプトが新鮮で話題となり、杯を傾けながら普段見られなかったスターたちの姿を垣間見ることができた。
そんな雰囲気が醸成されたことで、そのコンセプトがそのままスターたちのYouTubeチャンネルにつながった。毎回ゲストが出演し、テレビでは見られなかったスターたちの酒癖を見ることができるようになったのだ。
10月17日にはシン・ドンヨプのYouTubeチャンネルに歌手ソンミが出演した。お酒の飲み方さえ不慣れなほどアルコールと距離が遠いというソンミは、自分の酒量を知らないほどだった。
最終的に顔が真っ赤になり、飲酒放送中に居眠りする姿まで映った。これに対してシン・ドンヨプは「実際に居眠りする姿を途中で見てびっくりした」と驚いた。
この姿にユーザーらは「おもしろい」として「いいね」を押した。しかしこれとは逆に、好奇心の強い青少年にメディアを通じて飲酒シーンが自然に露出されれば、これを肯定的に認知し、模倣を試みる可能性が高いという指摘も出た。
実際にシン・ドンヨプだけでなく、チョ・ヒョナ(「チョ・ヒョナの木曜日の夜」)やイ・ヨンジ(「用意したのは微塵もない」)なども飲酒放送をしているが、若者世代から大きな愛を受ける多くのK-POPアイドルが出演している。そのため未成年者に飲酒文化を造成するのではないかと危惧する声も上がっているのだ。
もちろん制作陣の意図の通り、テレビとは違う姿のスターたちの姿を見ることはできる。ゲストもやはり、自分の既存のイメージを破り、気楽な姿を見せたいから出演したはずだ。アイドルも人間であり、大人であるため、お酒を飲む行為自体は自由だろう。
しかし、それを眺める対象に対する意識は必要ではないだろうか。「アルコール=率直な本音を分かち合える」という、お酒を美化してばかりいていいのかという疑問だ。大衆に愛され、影響力が大きいスターであるほど、最小限の責任感が必要ということだ。
最近、Netflixなどのオンライン動画サービスでも散見される喫煙や飲酒シーンが、青少年に悪影響を及ぼしかねないという憂慮が大きくなったなかで、韓国の健康増進開発院は「メディア上に無分別に露出される飲酒・喫煙シーンは、成人はもちろん、青少年の飲酒と喫煙にも悪影響を及ぼすという事実が多数の研究で確認された」とし、規制の必要性を強調した。
また国会立法調査処も最近、「2023国政監査イシュー分析」報告書を通じて「動画配信サービスが青少年の喫煙や飲酒を助長する経路になりうる。助長環境を低減できるよう、規制について社会的な議論が必要だ」と明らかにしたばかりだ。
社会的な影響力のあるスターが出演し、運営するコンテンツであるだけに、最小限の節酒を誘導する字幕表示など、きちんとした規制と社会的な責務が必要だという見方が強まっている。
(記事提供=OSEN)
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