12年間の“壮絶イジメ”告発…自ら人生を終わらせた韓国女性への2・3次被害、「大罪人」の名を用いた中傷も

2023年10月12日 話題

壮絶な“いじめ”に対する謝罪を受けられないどころか、2次被害、3次被害を訴えながら被害者はこの世を去った。

【画像】ピョさんの“いじめ”被害とは…加害者の写真も

ところが、被害者に関して、残された人たちは依然として誰の主張が正しいのかを巡って争っている。故人が恨みを抱いたまま天国に旅立ったため、是非を問うことはより難しくなった。

これは、“現実版ザ・グローリー”として関心を集め、27歳という若さで自ら人生を終わらせた韓国の女性ユーチューバー、ピョ・イェリムさんの話だ。

悲痛な訴え

ピョさんは10月10日、ライブ配信で「もう頑張らない。口数が多かったよ。私をコッペム(花蛇、金目当てに男性に近づく女性を指す)や加害者と言い、私のせいで善良な市民が被害を受けると。私の校内暴力(被害)を嘘だと言う。お金を盗んだことはない。(私を)詐欺、横領、名誉毀損などで告訴するというが、これを見ている警察がいるならば、私の名前で事件照会をしてほしい」として、自身にまつわる様々な疑惑について語った。

ピョ・イェリムさん
(画像=『実話探査隊』)TVにも出演したピョ・イェリムさん

続いて「2次、3次被害も受けた。2次被害は校内暴力(学生時代のいじめ)の加害者に、3次被害はストーカーに。私(の存在)が誰かの害になるのか。害になるという言葉を見ると、あまり気分がよくない。誰かはスポンサーがいるとかいないとか、脅したとか、騙されたんだね、だとか(言ってくる)。通帳を全部見せることもできないし、とても悔しい。そんなコメントを無視しようとしてもダメだった。ある瞬間、ダメージが生じていた」として、無分別な疑惑や悪質コメントによる苦悩を吐露していた。

先立ってピョさんは今年4月、小学校から高校までの12年間、いじめに遭っていたと暴露。奇しくも当時、いじめ被害者の復讐をテーマにしたNetflixドラマ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』がヒットしていたことで、彼女の暴露は大きな注目を集めた。ネット上では、加害者と名指しされた人物の身元を明らかにするという動きもあったほどだ。

しかし、皆が皆、ピョさんの味方ではなかった。その後、ピョさんは加害者たちから謝罪を受けられないまま、2次、3次被害に苦しめられることとなったのだ。

大罪人の名前を持ち出して攻撃されることも…

『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
(画像=Netflix)『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』ポスター

ピョさんは「私をコッペムに追い込み、『詐欺を働いた』『校内暴力の被害者ではないだろう』と。後援金に関しては、“奥歯パパ”のように詐欺を働いていると言われた。私がここまで悪口を言われるなんて。限界だ。ここまでにしようと思う。私の痛みを知らせ、その痛みを通じて人々がたくさん応援してくれたし。よく分からないけど、何か一つくらいは変わったんじゃないかな。一つは法案発議をしたのだから。休んでもいいんじゃないか?」と虚しく吐露。

ここで言及された「奥歯パパ」とは、巨大型セメント質腫の手術によって奥歯しか残らなかった実在男性のことなのだが、自身と同じ病を患う娘のため、アメリカまで行って支援金を募るなど、大きな注目を集めた。だが、その裏では生活保護や障害手当を受け取り、豪勢な生活を送っていたことが明らかに。それだけでなく、未成年に性暴行を働いて死亡させ、“女性の斡旋”にも手を染めていた。果てには自身の妻も“商品化”して殺害するなど、韓国犯罪史に残る大罪人である。

ピョさんは「違うということを証明しろと言われるが、言うことはない。どうしろと。なので、ここまでにしようと思う。私ではないという証拠品として何かを与えることはできないが、私の命一つは与えることができる。このように、私は証拠品を提出する。私がその証拠品になる。それならいいんじゃないか。私一人のせいで起きたことだから、私だけいなくなればいいのではないか」というメッセージを残し、映像を締めくくった。

この映像を最後にピョさんは、この世を去った。釜山鎮(プサンジン)警察と消防によると、10日24時57分、釜山鎮区・草邑洞(チョウプドン)の聖智谷(ソンジゴク)水源地で女性が溺れたという通報が寄せられたという。水中捜索の末、16時20分頃に女性が発見され、病院に搬送されるも、心肺停止状態で亡くなった。警察が身元を確認した結果、この女性がピョさんであることが分かった。

残された者たちの真実攻防戦

ピョ・イェリムさん
(画像=ピョ・イェリムさんYouTubeチャンネル)

生前、ピョさんについて取り上げていた暴露系ユーチューバーのCaracula(カラキュラ)は、「とても悲しくて悲痛で、呆れた心情です。いじめ被害者の救護活動に連帯しないからといって、持続的に故人と周辺の人々まで頑なに告訴し、YouTubeチャンネルとSNSまで開設して故人に対する持続的な非難、誹謗映像でサイバーブリングとストーキングを行った張本人がいます」と指摘。そして「一人の人間に極端な選択までさせた、まさにあなたに、地球の果てまでその責任を必ず問うようにします。あなたが持っているすべてのものと、あなたが成し遂げたすべてのものに対して私のすべてを賭けます。謹んで故人の冥福を祈ります」という追悼メッセージを寄せた。

ここでCaraculaが言及したのは、生前のピョさんと争っていたユーチューバーAさんのことだ。ピョさんとAさんは今年7月、いじめに関する被害者連帯をしようとしたが、意見の相違により亀裂が生じた。その後、ピョさんがAさんの犯罪歴を公表したことで争いに発展し、対するAさんは事実的時名誉毀損でピョさんを告訴。ピョさんもAさんをストーキングなどで告訴し、継続して攻防戦を繰り広げてきたのだ。

ピョさんの死後、Aさんは「私たちは、持続的な被害にもかかわらず法的措置を取ってきました。それにもかかわらず、自身がストーキングされているという、とんでもない主張や虚偽事実と若干の事実を併合して作り出した彼女の行為に、継続的な法的措置で予防および遮断するしかありませんでした」と対峙する立場を示した。

特に「法的攻防において、彼女が危機を感じて極端な選択をしたと見られるが、私たちは犯罪疑惑によって被害を受けてきた。だが、間違ったことは全くありません」とし、「むしろ犯罪被害を受けた状態で、これまでピョ・イェリム氏の行為に対して法的措置だけをしてきました。続く虚偽事実を指摘し、名誉毀損するコメント、いたずら電話、侮辱的なコメントに対しては、厳しく処罰することをお知らせします。皆さんが知っている真実が、真実ではないかもしれません」と声を高めた。

このような主張に対して、Caraculaは11日、「夜の間に釈明文だと言って、犬の鳴き声をいっぱい作り、報道機関に報道資料を配布する時間、少なくともお前が人間なら故人の出棺まででいいから、どうか部屋の隅で黙っていてくれ」と激しい怒りを吐露しながらも、「本文は特定の人物を侮辱および誹謗しようとするのではなく、私自身の怒りを虚構の仮想人物を通じて表出した表現の一種」と付け加えていた。

ピョさんはこの世を去ったが、残った人たちは今後も“真実攻防”を継続するものと見られる。故人から被害を受けたという側と、故人の死に責任を問うという側の戦いが始まった。

(記事提供=OSEN)

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