追悼の声が続いているが、一部からは批判的な意見も出ている。
嘘の“がん闘病”騒動で活動を中断していた歌手チェ・ソンボンさんが亡くなった状態で発見され、多くのオンラインユーザーが哀悼の意を表した。享年33歳。
6月21日、チェ・ソンボンさんの死去のニュースに接したオンラインユーザーたちは、各種オンラインコミュニティに「慎んで故人の冥福を祈ります」「歌が本当に上手で記憶に残る歌手だ」「歌で大きな感動を受けて100万ウォン(約10万円)を後援したが惜しくなかった。良いところに行ってほしい」などの反応を見せた。
しかし一部からは、「詐欺で人に血の涙を流させた人物。この人のせいで死にたい人もいたはず」「同情する気持ちが生まれない」「適当に処罰されて反省し、許しを請うことが罪の代価ではないか」などの意見が寄せられた。
それを見た人々は「被害の金額をすべて返還したというのに、故人に対する礼儀ではない」「故人になった以上、これ以上の非難コメントはつけてはならないのではないか」といった交錯した反応を見せたりもした。
先立って6月21日午前、警察によると、チェ・ソンボンさんが6月20日午前9時41分頃、ソウル江南(カンナム)区の自宅で亡くなった状態のまま発見された。
警察は現場の状況を確認しながら、正確な死亡経緯を把握している。
チェ・ソンボンさんは2011年に放送されたオーディション番組『コリア・ゴッド・タレント』(tvN)で準優勝した歌手であり、声楽家だ。5歳で保育園を出て、ガムを売って荒仕事をするなど、恵まれない環境でも声楽家を夢見て多くの人々に感動を与えた。
しかし2021年、がん闘病中で余命を生きていると嘘をついて後援金を集めた事実が明らかとなり、大きな議論となった。
チェ・ソンボンさんは当時、「事実無根」として法的対応を予告したが、同年10月にがん闘病が嘘であることを認め、後援金を返還するという意思を明らかにした。
そして今年6月20日、自身の個人チャンネルに「私の人生の最後にファンの方々に送る文章だ。2011年から現在まで、本当に多くの方々に関心と愛を受けて生きた。心から感謝の言葉を伝える。悔しさを知らせたいが、もらった愛がもっと大きくて、心の中に留めておくことに決めた」と書き込んだ。
最後に「私の愚かな過ちと被害を受けた方々に、心から申し訳なく、繰り返し過ちを犯した。この2年間、後援金返還の問い合わせをしてくださったすべての方々に返還した。振り返ってみると、幼い頃から一日を10年のように最善を尽くし、平凡な人生を過ごそうと努力したが、結局のところ私は駄目だった」と心境を明らかにした。
■歌手チェ・ソンボン、嘘のがん闘病疑惑を認めて謝罪「今は食堂で働いている」
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