NCTの拡張終了、チケット手数料値下げ…SMエンタ、買収戦で傷ついたファンの心を取り戻す歩み

2023年03月23日 話題

創業者で絶対的なプロデューサーでもあったイ・スマンが去った韓国の大手芸能事務所SMエンターテインメントが、ビジョン「SM3.0」に合わせてファンとのコミュニケーションを強化し、その心をつかむために動き出した。

【写真】「どえらい男前」NCTの日本人メンバー

SMエンタの経営陣はネット大手カカオと戦略的提携を発表し、「イ・スマン時代の終焉」を告げて「SM3.0」を宣言した。

「SM3.0」は、去る2月3日にSMのイ・ソンス、タク・ヨンジュン共同代表が発表した未来戦略だ。イ・スマン前総括プロデューサーの独占プロデュース体制から抜け出し、社内独立レーベルを開設してマルチプロデューシング体制の構築を骨子とする。

動き出したSMエンタ

そのなかでもこの間、傷ついたファンの心を取り戻すためのSMの積極的な姿が目立つ。

SMをめぐるカカオ・HYBE間の買収合戦が経営権を確保したカカオの勝利で終わり、SMは本格的にこの1カ月間、経営権紛争のなかで最も苦しんだファンの心をなだめようと乗り出した。

(写真提供=SMエンターテインメント)イ・ソンス(左)、タク・ヨンジュン共同代表

アーティストの権益保護、チケット手数料の引き下げ、アーティストの日程公開など、これまでファンが不満を提起してきた事案を積極的に変化させる姿を見せている。

この間、アーティストの事件・事故やプライバシーをめぐる問題などが頻繁に発生したSMに、ファンの不満が溜まっていた。SMは、一部ファンの無秩序な行動にともなう危険性と現場対処方法改善案に対して、現場経験が多い人々で構成された「事前動線関連特別部署」を新設し、現場状況に合う対策を立てるという計画だ。

また、所属アーティストの保護のために法務法人セジョンと業務協約を結ぶとも明らかにした。イ・ソンス、タク・ヨンジュン共同代表が発表した「SM3.0」に、アーティストに対する保護強化項目が含まれていたが、それを具現化するための措置だ。

SMはテキスト分析AI(人工知能)企業との提携を通じて、悪質なデマの根源となるフェイクニュースを選別し、所属アーティストの誹謗申告窓口である「KWANGYA 119」を新設することにした。

(写真提供=SMエンターテインメント)aespa

SMは「所属アーティストを対象にした虚偽事実の流布、悪意のある誹謗、悪口、セクハラ、プライバシーの侵害はもちろん、アーティストの肖像を無断で合成・編集してコンテンツを制作する行為など、すべての形態の不法行為に対して直ちに強力に対応することにした」と伝えた。最近はNCTのメンバー、ヘチャンの“過激ファン”の事例を挙げ、アーティスト保護のために積極的な無寛容の対応を繰り返し宣言した。

公演チケットの手数料問題も解決に乗り出す。

系列会社ドリームメーカーが主管する所属アーティストの単独コンサートのチケット手数料を引き下げることに決めた。すでにチケットを購入した観客には公演後、2000ウォン(約200円)を預り金の形式で還付する予定だ。

先立ってドリームメーカーは環境保護に貢献するために紙のチケットをなくし、アプリを活用したスマートチケットを導入したが、前売り手数料が5000ウォン(約500円)もしてファンの間で不満が提起された経緯がある。SMはこれに対し、ドリームメーカーとの協議を通じて手数料を3000ウォン(約300円)に引き下げたという。

(写真提供=SMエンターテインメント)NCT 127

他にも、これまでアーティストのカムバック日程などを共有することに無関心だったSMは、「SM3.0」時代を迎え、積極的なカムバックスケジュールの共有に乗り出した。

SMは今年、3つの新人グループとバーチャルアーティストを披露する予定だ。3月15日には新たにローンチするガールズグループの練習生たちのショーケースも行った。「ファンモニタリング要員」を導入し、ファンに先に公開して評価を受けることで、新人のデビュー過程でファンと積極的にコミュニケーションしようとする意志を表わした。

対外的な公開は異例という点で、「SM3.0」の具現化に本格的に着手した信号弾ではないかという観測も出ている。

今年は「NCT東京(仮称)」も新たに公開する。NCT東京は、NCTの無限拡張を終えるという意志が込められたグループだ。

当初、イ・スマン前総括プロデューサーを中心に「NCTハリウッド」「NCTサウジ」なども計画されたが、これ以上の拡張を止めて、メンバーの変動なしに既存のシステムそのままを維持することに決めたのだ。これもファンの意見を積極的に取り入れた決定だ。これまでNCTファンは、増え続けるNCTメンバーに対して不満を示してきた。

また3月22日、SM側によると、NCT初ユニットの「トジェジョン」(ドヨン、ジェヒョン、ジョンウ)も4月17日のデビューを確定。既存メンバーの多様な活動を支援することを願うファンの声が反映されたのだ。

(写真提供=SMエンターテインメント)NCT初ユニット「トジェジョン」

ファンの心を取り戻そうと力を入れているのは、何もSMだけではない。1兆ウォン(約1000億円)を超える資本の論理で説明された“SM買収戦”を通じて、K-POP成功の実際の主役であるアーティストとファンが疎外されているという指摘が絶えず提起された。

3月15日に開かれたフォーラムに参加したHYBEのパン・シヒョク議長は、取材陣からのSM買収関連の質問を受け、アーティストとファンの功績を先に褒め称えた。パン議長は「買収を戦争と見る末梢的で刺激的な瞬間も、アーティストたちは自分の場所で本業を忠実に行い、ファンもそのようなアーティストを支援し、応援した」と述べ、買収戦の過程で傷ついたアーティストとファンに謝罪した。

とあるK-POP関係者は「この1カ月間、HYBEとSMの過度な世論戦でファン同士の葛藤にまで広がった。買収は終わったとしても、動揺したファンとアーティストの心をつかむことがこれから解決しなければならない宿題」と話した。

【写真】AIもビックリ…KARINAの“黄金比率スタイル”

【写真】NCT DREAM、リラックスモードの“私服姿”でも最強ビジュアル

“BTSの生みの親”HYBEパン・シヒョク議長、SMエンタ買収騒動後に初めて公の場

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集