例えばYouTubeにドラマタイトルと「まとめて見る」や「要約」とつけて検索すれば、関連動画が表示される。ユーチューバーが制作したレビューも多いが、放送局の公式チャンネルで公開した動画も目立つ。人気のなかで放送中のドラマの場合、1話の要約はもちろん、2話ずつ、4話ずつまとめた動画まである。
放送局がハイライトやメイキングフィルムに尽力した過去とは、明らかに異なる流れだ。
放送関係者たちは、名シーンのまとめ、メイキングフィルムの広報効果が相対的に弱くなったと口をそろえる。良質のコンテンツに慣れた視聴者の好みが、さらに厳しくなったためだ。以前とは異なり、過激なスキンシップやアクションなど“刺激的な場面”では視聴を誘導しにくく、俳優個人が持つスター性も成功を100%保証してくれない。視聴者の大多数が作品を選択する基準は、しっかりとしたストーリーとそれを具現化する演出力になった。
そんななかで視聴者がドラマを今後も見続けるかどうかを決めるタイミングは、ますます早くなっている。視聴者の立場では、地上波3社が気に入らなければ総合編成チャンネルやケーブルテレビにチャンネルを移せば良い。それさえも自分の好みに合わなければOTTを利用すれば十分だ。
常に新しいコンテンツがあふれているので、興味がそそられない作品はすぐに止める。「第1話を見たから義理で最後まで見る」といった反応は、今では昔話だ。寛大である必要のない視聴者は、さらに失敗しないように口コミに依存する。
特に一部の視聴者は本格的な視聴に先立ち、作品選択に投資する時間を短縮するために要約コンテンツを探してみる。要約コンテンツの有無がドラマのヒットに影響を及ぼしかねないのだ。そんな現在の雰囲気を感知した放送会社は、自主的にコンテンツを再加工し、視聴者の流入に集中している様子だ。
それと関連して韓国tvNの関係者は、本紙『スポーツソウル』に「デジタルショートフォームコンテンツは、場所や時間にこだわらず、老若男女が簡単に接することができるという点で人気を集めている。特に要約版の映像などを通じて作品に接し、興味を持って本放送の視聴に行く人もある。各作品の魅力を知らせることができるよう、多様なデジタルショートフォームコンテンツを企画、および供給中だ」と明らかにした。
実際にマーケティングの側面で効果が大きいとのこと。地上波SBSの関係者は、「多様なコンテンツが氾濫する状況のなかで話題性を高め、視聴者との接点を増やせる広報・マーケティング活動が重要になった」とし、「ドラマ序盤の要約を通じて予備視聴者の関心度を上げて本放送に流入させ、オンライン上の話題性が上昇し、視聴率が反騰する事例を多数確認した。ドラマ要約コンテンツの場合、高い再生数とトラフィックを担保するため、公式YouTubeチャンネル内の他のコンテンツ視聴を誘導する効果もある」と分析した。
さらに要約動画は、既存の視聴者の離脱や話題性下落を防ぐうえでも有用だ。とあるドラマ関係者は、「何らかの理由でドラマの1話を見逃すと、以降を見なくなることがある。そんなとき要約コンテンツがあれば、視聴の流れが途切れても再開しやすい。そして時間は限られているのに、さらに見たいドラマが出てきたら、すでに見ていたドラマを止めたりもするだろう。それでも代わりに要約コンテンツを見ながら、引き続き話題性に寄与する場合もある」と伝えた。
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