バラエティ番組『妻の味』がリアリティ番組の“リアル”に疑問符を投げかけた。
4月13日を最後にTV朝鮮の人気バラエティ番組『妻の味』が終了する。毎回、女優ハム・ソウォンとジンファ夫婦のエピソードで話題を集めた『妻の味』が、ハム・ソウォンの騒動で終わりを迎えることになった。
“やらせ疑惑”が続いていたハム・ソウォンは、突然『妻の味』からの降板を決定。その後、SNSでライブ放送を行った。やらせ疑惑について口を閉ざしていた4月8日、『妻の味』の制作陣とハム・ソウォンは誇張された演出について認めた。
『妻の味』側は「誇張された演出があったことを後になって把握した」と認め、ハム・ソウォンも「間違っていました。言い訳しません」と頭を下げた。
今回の一連の事態は、リアリティ番組の“リアル”の意味について疑問を提起することになった。
リアリティ番組は、若干の設定と状況で番組のおもしろさにプラスを与える。しかし『妻の味』は過剰な演出で、視聴者の信頼を裏切りながら、“やらせ疑惑”という不名誉を被り、放送終了にまで追い込まれた。
大衆文化評論家のチョン・ドクヒョンは、「観察カメラには刺激的なコードを誘発するための一種の設定と状況劇がある」とし、「新しいリアリティ番組が始まると、序盤に設定が提示される。最初の設定がつかめれば、エピソードを構成するよりも自然に出てくる話を編集して見せるのが定石だ。しかし、その度を超えて操作まで出てきた」と述べた。
観察カメラの本質を追求するドキュメンタリーのとあるプロデューサーは、「観察バラエティのほとんどが芸能人をテーマとする。バラエティは番組の存在理由がおもしろさであるため、短時間で私生活を多く抜き出すために、さまざまなカメラをたくさん回し、設定を入れなければならない部分がある」とし、「ストーリーをよりコシがあるように作るのがプロデューサーの腕だが、実際のところ、欺瞞した設定はいつか暴かれるものだ」と話した。
『妻の味』は、ハム・ソウォン夫婦の辛口なストーリーで話題を集めたが、過剰な設定によって最終的に番組終了を迎えた。
まずハム・ソウォンの中国で暮らす義父母の別荘が、実際にはAirbnb(民泊サービス)の宿泊施設であったという疑惑が起こった。また姑が末っ子の叔母だとして通話した人物が、実際にはハム・ソウォン本人ではないかという疑惑も浮上した。中国の財閥と紹介された夫ジンファの過去も、オンライン上で話題になっている。
それらに対してあるバラエティ番組のプロデューサーは、「刺激的なテーマで話題を集めることは簡単」とし、「しかし刺激的な味には慣れがある。ずっと刺激になることはない」と説明した。
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