デビュー12年目にしてついにアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたスティーヴン・ユァン(38)への祝福が、『ウォーキング・デッド』の関係者からも届いた。
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『ウォーキング・デッド』制作会社であるAMCは3月16日、公式SNSを通じて映画『ミナリ』のスティーヴン・ユァンのスチール写真とともに祝福と応援を伝えるメッセージを投稿した。
AMCは、「スティーヴン・ユァンのオスカー主演男優賞ノミネートと、彼が紡いでいる新しい歴史に祝福を。十分に受け取る資格がある」と書き込んでいる。
また同日、『ウォーキング・デッド』でグレンの妻マギー役として出演した女優のローレン・コーハンも、米メディアLAタイムズに掲載されたノミネート記事をキャプチャーし、「彼はやり遂げた」と、一言ながらもこれまで共演してきた“夫”に祝福を伝えた。
スティーヴン・ユァンのオスカー賞ノミネートは、彼の出世作となった“ウォーキング・デッド側”にとっても大きな喜びでもあるようだ。
今では韓国系俳優としてハリウッドで大活躍しているが、10年前の彼はありふれた一アジア系助演俳優に過ぎなかった。スティーヴン・ユァンの潜在能力が明らかになったのは、2010年から放送開始されたアメリカの人気シリーズ『ウォーキング・デッド』を通じてだった。
記念すべき『ウォーキング・デッド』の第1話、銃に撃たれ病院に入院していた主人公リック・グライムズ(演者アンドリュー・リンカーン)が、目を覚まして目撃したのはソン日に占領されたアメリカの都市だった。その光景でリックがメンタル崩壊に陥っている時、無線機越しの声で初登場したグレンがスティーヴン・ユァンだった。
当時27歳の若々しい青年だったスティーヴン・ユァンは、賢さと義理深さを兼ね備え、意外と情にもろいグレン役を見事に演じ、シーズン7でニーガンの手によって命を落とすまでファンから大きな愛を受けていたことは記憶に新しいだろう。
そして『ウォーキング・デッド』での活躍ぶりが認められ、映画界からもラブコールを受けることに。ポン・ジュノ監督の『オクジャ』(2017年)、イ・チャンドン監督の『バーニング 劇場版』(2018年)といった作品に出演し、韓国の映画ファンからも注目を集めることとなった。
昨年末から世界有数の映画祭を席巻し、ついにオスカーのトップに手をかけた『ミナリ』では、主人公のジェイコブを演じ、アメリカンドリームを抱いてアメリカに渡った移民1世家族の家長としての哀歓をリアルに表現している。
アメリカ移民2世のリー・アイザック・チョン(韓国名チョン・イサク)監督の自伝的な内容が盛り込まれた『ミナリ』は、家族の話を普遍的かつ温かな目線で表現し、世界中の多くの映画ファンから愛されてきた。
4月25日に行われるアカデミー授賞式で『ミナリ』は、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞(スティーヴン・ユァン)、助演女優賞(ユン・ヨジョン)、音楽賞など、計6部門にノミネートされており、『パラサイト 半地下の家族』が獲得した4部門を超える受賞を期待されている。
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