韓ドラ界でアイドル出身が重宝される“意外なワケ”。少女時代ユナやクォン・ナラも

最近韓国では、アイドル出身の俳優たちが高い認知度と確かな演技力でお茶の間を駆け回っている。歌やパフォーマンスだけでなく、演技の分野でもファンから支持を得ているオールラウンダーが続々と登場しているのだ。

【写真】クォン・ナラ、時代劇で見せた美しすぎる変身

例えば、かねてより俳優キム・ミョンスとして演技の実績を積んできたINFINITEのエルと、2020年を代表するヒットドラマ『梨泰院クラス』で主人公の初恋役を好演したHELLOVENUS出身のクォン・ナラだ。

2人は現在、韓国KBS2で放送中の時代劇ドラマ『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』(原題)を通じて新たな魅力を視聴者に届けている。12月21日に放送された同ドラマの第1話は、視聴率5.0%(ニールセンコリア基準)と好調なスタートを切った。

エルは賭博を行った罰として国王直属の秘密捜査官・暗行御史(アメンオサ)にさせられたソン・イギョムを、クォン・ナラは遊女になりすまして高官たちの不正を調査する茶母(タモ。女性の官婢。朝鮮時代末期には女性犯罪の捜査も担当した)ホン・ダインのキャラクターを魅力たっぷりに演じ、視聴者の関心をさらっている。

(写真左から)エル、ユナ、クォン・ナラ、キム・セジョン

一方で、昨今のドラマブームをけん引する“WEBマンガの実写化”で存在感を放っているのが、gugudanのキム・セジョンだ。

韓国の映画専門チャンネルOCNで11月28日からスタートした『驚異的な噂』(原題)。原作コミックは韓国のWEBマンガプラットフォーム「DAUM WEBTOON」で連載中の人気作で、グクス(韓国式そうめん)屋の店員を装った“カウンター”たちが地上の悪鬼を退治するという少年漫画的なファンタジー要素が読者の心を掴んでいる。

キム・セジョンは劇中、人の心を読むことができる“悪鬼レーダー”、ド・ハナを熱演。誰にも心を開かない人物だが、確かなカリスマ性を放っている人物だ。

『驚異的な噂』は、初回視聴率2.7%を記録。口コミで次第に知名度を上げていき、12月20日に放送された第8話では最高視聴率9.3%を叩き出している。

アイドル出身の俳優を語るうえで欠かせないのが、少女時代のイム・ユナだ。

先の俳優たちよりも一足早く演技の世界に足を踏み入れたユナは、このたびドラマ『HUSH』(原題)で約3年ぶりにお茶の間へ復帰した。

昨年韓国で公開された初の主演映画『EXIT イグジット』が累計観客動員数900万人を突破しているだけに、女優イム・ユナに対するファンからの期待は早くも熱い。

『HUSH』では役作りのためにロングヘアをばっさりカットし、注目を集めたユナ。劇中演じるイ・ジスというキャラクターもまた、新聞社に突然訪れた謎多きインターン記者という底知れぬ魅力を感じさせる。

アイドルスターたちの“お茶の間占領”について、ある芸能関係者はこう語る。

「そもそもアイドルには海外のファンが多く、いずれのプロダクションも本業のほかに基本的な演技レッスンを行う方針をとっている。そういった部分で、話題性と演技力においてある程度安心感があるのが実情だ。

実際に、グローバルな活動が増えるにつれて、“オールラウンダーアイドル”に対する熱望が高まってきた。例えば中国で活動する場合、役者が歌も歌わなければならない状況が多い。そういった要求性に合わせて演技、歌、パフォーマンスなど、さまざまな分野で優れたアーティストが増えている」

制作関係者もまた、「劇団出身者もアイドル出身者も、現場での試行錯誤は似ている。ただ、アイドル出身者には海外のファンが多いため、ドラマの認知度や海外版権の面で役立った部分がある」とし、「グループ活動と同時進行する方にはスケジュール調整が必要で、その分本人たちは申し訳ないと言いながら一生懸命取り組んでいる」と現場の内情を明らかにした。

果たして今年の韓国ドラマ界を制するアイドルスターは誰なのか。これからの視聴率競争に注目が集まっている。

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