Netflixの韓国ドラマ『あなたが殺した』が、殺人を共謀する2人の女性を描く“19禁スリラー”として注目を集めている。
家庭内暴力を題材にしている点に一部では懸念の声も上がったが、過度な刺激よりも2人の主人公の物語に焦点を当てることが制作側の意図だ。
Netflixシリーズ『あなたが殺した』の制作発表会が11月5日午前、ソウル・龍山(ヨンサン)区のCGVヨンサンアイパークモールで行われ、イ・ジョンリム監督、チョン・ソニ、イ・ユミ、チャン・スンジョ、イ・ムセンが出席した。
『あなたが殺した』は、「死ぬか、殺すか」しか逃れられない現実の中で、殺人を決意した2人の女性が思いもよらぬ事件に巻き込まれていく物語を描く。日本の作家・奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』を原作としている。日本では2016年、同名タイトルで広末涼子と内田有紀のキャストによりドラマ化された。
イ・ジョンリム監督は「原作が出て間もない頃は映像化の話はなかったが、私はもともと原作者のファンで、当時すでに読んでいた。主人公たちの物語に共に怒り、悲しみ、さまざまな感情がこみ上げた。後に映像化の話を聞いて、いつか自分にチャンスが来てほしいと思っていた。初めて脚本を読んだとき、本当に素晴らしいと思い、“これをしっかり作らねば”と感じた」と語った。
原作のタイトルが主人公2人の名前を冠しているのに対し、『あなたが殺した』では各エピソードの副題に主人公の名前を取り入れたという。イ監督は「原作のタイトルも好きだ。名前はその人の人生そのものを象徴していると思う。今回は8話構成のシリーズなので、各話の副題を人物の名前にした。このタイトルには“あなた”と“私”、“私たち”という複数の意味が込められている。最終話まで観終えたら、このタイトルの意味をきっと深く考えることになるだろう」と説明した。
作中では、家庭内暴力のトラウマを抱えるウンス(演者チョン・ソニ)と、家庭内暴力の被害者ヒス(演者イ・ユミ)が出会い、殺人を共謀しながら物語が展開していく。
ウンスを演じたチョン・ソニは「彼女たちの選択(殺人)にある程度の説得力を持たせたいと思った。私が理解したかったウンスは、誰かのために勇気を出し、決断できる人物。だから、彼女を突き動かすものは何かをずっと考えた」と語った。
ヒスを演じたイ・ユミは「カメラの前に立つヒスを本当の人間のように見せることが第一の目標だった。ヒスの感情をしっかり込めたいと思っていた。彼女は精神的にとても弱い状態だが、その中にも強さがあると思った。その強さがウンスとの出会いの中でどう表現されるかを考えながら演じた」と話した。
一方で、家庭内暴力を扱うテーマゆえに作品の刺激度を懸念する声もあり、視聴年齢は「19歳以上(青少年観覧不可)」に指定された。
これに対し、イ監督は「文字で読むのと違い、映像で見ると衝撃が大きくなるのは当然だ。最初からその点を意識して制作を始めた。もし表現を誤れば取り返しがつかないというプレッシャーもあった。スタッフたちと議論しながら、本当に必要なモンタージュだけを使うようにした。身体と身体が触れる場面はほとんどない。実際に被害者の方々にも会い、細心の注意を払う必要を感じた。そうしたバランスを取ることに最も力を注いだ」と強調した。
さらに「物語の中心に“家庭内暴力”というテーマがあるのは避けられない。登場人物たちの選択に説得力を持たせるために全力を尽くした。ウンスやヒスの視点に立てば苦しさや不快感を覚える瞬間もあるだろうが、彼女たちを応援したくなったとき、今後の展開への関心が生まれると信じている」とも付け加えた。
『あなたが殺した』は全8話構成で、11月7日にNetflixで公開される予定だ。
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