韓国で行われたアイドルの誕生日イベントをめぐり、芸能事務所の常識を疑う行動が後に発覚し、物議を醸している。
8月8日、誠信(ソンシン)女子大学のソ・ギョンドク教授が自身のフェイスブックを通じて、「市民意識を向上させる必要がある」と問題を提起した。
それによると、7月2日、とある芸能事務所が所属アイドルメンバーの誕生日を記念し、ソウル市内26カ所にステッカーを隠して、それを見つけたファンに愛用品を贈るイベントが行われた。
問題は、漢陽都城の保護区域内の施設物に、イベント用のステッカーを貼った点だ。
ソ・ギョンドク教授は、2019年12月に漢陽都城で「ソ・ギョンドク教授とともに行う世界漢陽都城広報キャンペーン」を行ったこともある人物。今回の投稿でも、漢陽都城について「現存する世界の都城の中で最も規模が大きく歴史の長い」と強調している。
実際に漢陽都城は、朝鮮王朝時代である1396年に都を守るために築造された城で、514年間も都城としての機能を果たしたとされる。高さの平均が約5~8m、全長約18.6kmに達し、韓国の歴史がすべて刻まれているといっても過言ではない特別な文化遺産だ。
そんな文化遺産の保護区域内の施設物に、アイドルのステッカーを貼ったことになる。ソ・ギョンドク教授は「さらにあきれたことに、その後の後片付けがきちんと行われず、施設物にはステッカーをはがした跡が残っていたという」と現状を伝えた。
韓国では、昨年12月30日、KBSのドラマ撮影班が小道具の提灯をつるすため、世界文化遺産である屏山(ピョンサン)書院の晩對樓(マンデル)の梁の6カ所と、東齋(トンジェ)と呼ばれる宿舎棟の柱1カ所に釘を打ち込んだとして、市民や安東市から告発される事件があった。
ソ・ギョンドク教授は「このようなことが繰り返されないためには、文化遺産の重要性に関する市民意識を向上させる必要がある」とし、「私たち自身がまず自らの文化遺産を大切にし、適切に保存することに万全を期さなければならない」と訴えた。
■【画像】韓国のドラマ撮影班、「文化遺産に釘を刺した」騒動で謝罪
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