服の色や単語ひとつ、ピースサインで炎上も…選挙シーズン、韓国芸能人に“注意報”が発令されるワケ

2025年05月27日 話題

絵の具一滴の与える影響は少ない。だがその色が衣服に降りかかった瞬間、それは一つの“シグナル”となる。

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誰かにとっては普通の服装であっても、選挙シーズンの目で見れば、それは「政治」と読まれるのだ。

6月3日に予定されている韓国の大統領選挙を前に、街の熱気は次第に高まっている。各政党はシンボルカラーを全面に押し出し、有権者の選択を促している。

そんななか、芸能人たちにとって予期せぬ伏兵となるのが「色」だ。彼らが着ている服の色、手にしたスマホケースの色、あるいは写真の中で何気なく作ったピースサインまでもが、政治的な解釈を呼び起こしてしまうからだ。

服や何気ない単語まで政治的に解釈される

選挙シーズンは投票したことを知らせる芸能人の投稿が増える
(写真=各芸能人のSNS)選挙シーズンは投票したことを知らせる芸能人の投稿が増える

実際、数年前にSUPER JUNIORのキム・ヒチョルは投票に行ったことを証明する写真を投稿したことで、窮地に立たされた。投票所にはごく普通の服装で現れたが、その服の色がある政党のシンボルカラーに似ていたという理由で、ネット上では激しい疑惑が巻き起こった。

また、EXIDのハニは、手の甲に押された投票スタンプの写真をSNSに投稿し、「本当に難しかった今回(韓国語で“今回”は“イボン”)」という文を添えたが、「イボン」という単語が特定の候補者(イボン=2番)を連想させるという指摘を受けた。

さらに当てつけのような非難もある。モデルのチョン・ホヨンは、フランス・パリで開かれたルイ・ヴィトンのファッションショーでオープニングを飾り、最初にランウェイを歩いた。

その際、彼女はパリを位置情報タグとしてつけ、「1」と書かれた紙の写真をアップした。これに対し、一部のネットユーザーは、ある候補への投票を促しているのではという推測を出した。チョン・ホヨンが履いていたジーンズ(青)さえも、それと結び付けられた。

選挙シーズンのたびに、スマホケースひとつやピースサインですら、同様の議論が繰り返される。過剰な解釈だという声も少なくないが、所属事務所としては「徹底的に避けるのが最善」という空気が強い。なかには、選挙シーズン用の「行動ガイドライン」を共有している事務所もある。

(写真=DKB X)ボーイズグループDKBのメンバーたちが自身のフォトカードに投票スタンプを押し、投票を証明した

ある芸能プロダクション関係者は、「選挙期間中は衣装のコーディネートから写真のポーズまで事前にすべて確認している。ピースサインも最近では控えるようにしている。ある政党のキャンペーンイメージと重なる可能性があるからだ」と述べ、「意図せずに炎上するケースが多いため、些細な部分にも気を使うようにしている」と明かした。

政治的な意図のない日常ですら疑われる風景。一部からは芸能人はもっと慎重であるべきだという声もあるが、その基準が行き過ぎているという指摘もある。

ある大衆文化評論家は「政党のシンボルカラーに似ているというだけで芸能人の表現を制限したり非難したりするのは、かえって過度な政治化だ。服の色ひとつで政治的フレームをかぶせるのは、無責任な消費」と批判した。

芸能人は大衆と近い存在であるがゆえに、その言葉ひとつ、行動ひとつが大きな波及力を持つ。だが、その影響力を過剰に政治的に解釈してしまえば、表現の自由はますます狭まっていく。

投票の季節が巡ってくるたびに、芸能人たちは「無彩色な存在」であることを求められる。そして今、私たちはその沈黙さえも「色」で読み取ろうとしているのかもしれない。

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