歌手フィソン(本名チェ・フィソン)が薬物を使用し、倒れた状態のまま発見された。しかも短い間に2度もだ。
“麻薬使用疑惑”で警察の捜査を受けていたフィソンは、今度はまた別の薬を使用し、倒れたまま公共の場で発見された。
フィソンは去る4月2日21時頃、ソウル広津(クァンジン)区のとある建物1階のトイレで発見された。「投薬した人がいる」との通報を受けて出動した警察は、倒れたフィソンを発見。周辺には、注射器や睡眠誘導剤と推定される薬瓶が落ちていた。
先立ってフィソンは3月31日、ソウル松坡(ソンパ)区の建物のトイレで倒れた状態で発見されている。その後、警察の調査を受けたのだが、わずか2日後に同じ状況が繰り返されたことになる。
当時もフィソンは薬物を使用して倒れたのだが、「エトミデート」と書かれた瓶が注射器と一緒に発見された。目撃者によると、フィソンは意識がないほどの痙攣状態で深刻な状況に見えたという。
韓国を代表的な男性ソロ歌手といえるフィソンが、相次いで公共の場で薬物を使用していた事件を起こし、衝撃が広がっている。フィソンが使用したエトミデートという薬物に対する関心も高まった。
エトミデートは、“第2のプロポフォール”と呼ばれる麻酔薬で、内視鏡や手術など全身麻酔の目的で使われる。またプロポフォールが麻薬と指定されていることに対し、エトミデートは専門医薬品に指定されており、売り手は処罰を受けることもあるが、買い手の処罰規定は特にない。
そのため一部からは、フィソンが法の網をくぐり抜けるためにプロポフォールではなく、エトミデートを使用したのではないかとの意見も出ている。今回の事件について、フィソンが処罰される可能性は低いと予想される。
現在までに、フィソンが男性と薬物を取引する姿が映された監視カメラ映像が公開され、その男性は逮捕されて捜査を受けている。
フィソンは「インターネットで知り合った人から購入した」と述べており、ネット上で難なく入手できるという点も多くの意味を示唆している。フィソンを皮切りに、“エトミデート疑惑”が浮上する芸能人が増える可能性があるからだ。
だからこそ韓国芸能界に緊張が走っている。プロポフォールが麻薬に指定された後、エトミデートの輸入量も増えており、乱用の懸念も出ている。
フィソン側は2度の薬物使用騒動が起きた後、公式ホームページを通じて立場を発表した。
フィソン側は「フィソンは父親の突然の逝去と知人の相次ぐ死亡、そして昨年に苦労した事件により、耐え難い時間を過ごしている」とし、「フィソンは現在、病院に入院して精神科の治療を受けている。警察署から帰宅後も極端な考えとうつ病、パニック障害などの症状を見せているからだ」と明らかにした。
続いて今後も継続して調査に協力することと、謝罪の言葉を伝えた。
フィソンは2019年3月からアルバム活動が止まり、昨年末に予定された全国ツアーも負傷を理由に取り消していた。何の活動もなかった状況で、突然伝わった彼の近況は大きな衝撃をもたらした。
さらに悪いことに、彼が代表を務めるリアルスローカンパニーも事実上、廃業の手続きを踏んでいることが知られ、フィソンが困難な時間を過ごしてきたことを推測させる。フィソンの現状を心配する声もあるが、失望せざるを得ない行動をとったことに対しては批判の目も向けられている。
K-POP界のフィソンの知人は「フィソンが睡眠障害だということは、とても以前から知られている事実」とし、「さまざまな悪い状況が続いていることは知っていたが、だからといって間違った選択が続いてはならない」と、慎重な立場を伝えた。
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