韓国国会の文化体育観光委員会の国政監査で、大手芸能事務所3社の代表が「振付著作権問題」「K-POP業界の不公正な慣行」に対する改善意志を明らかにした。
去る10月7日に行われた国政監査には、SMエンターテインメントのチャン・チョルヒョク代表、YGエンターテインメントのヤン・ミンソク代表、JYPエンターテインメントのチョン・ウク代表が証人として出席し、K-POP産業の主要懸案について質問を受けた。
HYBEの代表は参加しなかったが、子会社Weverseカンパニーのチェ・ジュンウォン代表が参加した。
同日、「共に民主党」のミン・ヒョンベ議員は各社が締結した振付契約書を根拠に振付師の著作権保護問題を指摘。
JYPに対しては、わずか200万ウォン(日本円=約22万円)の契約金で振付著作権を一括譲渡してもらうという契約慣行の不当性を批判した。これに対し、JYPのチョン代表は「実務段階で確認し、申し上げる」と答えた。
また、YGのヤン代表は「著作権問題は簡単なことではないが、振付制作者の権益のためにより一層気を遣う」とし、SMのチャン代表も「制度的改善があれば、内部的にしっかり検討して従う」と答えた。
国政監査では、アルバムの「押し出し」やグッズ販売と関連した不公正な慣行も議題に上がった。
「押し出し」とは、芸能事務所とCD流通会社が中間販売業者にCDの一部分を“押し付けて”買わせるという方法だ。その代わり、販売業者が購入したCDを売り切るまで、事務所側はグループのファン向けサイン会、“ヨントン”こと映像通話イベントなどを開く。これによってアーティストはより多忙となり、ファンもやはり複数のCDを購入することになる。
「共に民主党」のイム・オギョン議員は、「エンターテインメント会社が初動販売枚数を増やすために“押し出し”を行うなど、非正常的な販売戦略を展開している」とし、「自社アーティストのアルバムの買いだめで虚偽販売枚数を増やす現象がある」と指摘した。
特に、ファンサイン会当選のために500万ウォン(約55万円)以上に相当する数のアルバムを購入したり、1500万ウォン(約165万円)の借金を抱えたりするなど、過度なランダムフォトカード販売方式の“射幸性”を指摘した。
これに対し、SMのチャン代表は「会社に戻り、該当事案を綿密に確認する」と回答。JYPのチョン代表は「ファンサイン会などのイベントの問題点を詳しく調べ、改善する」と伝えた。
Weverseカンパニーのチェ代表は「プラットフォームの特性上、レーベルの販売戦略に直接関与することはできないが、市場の憂慮を認識している」と説明した。
また、イム議員はプラスチック使用による炭素排出など、ハイブリッドのESG経営に対する問題を指摘した。
この問題について、Weverseカンパニーのチェ代表は「HYBEがESG経営をしている点は認知している」とし、「業界でアルバム流通は数十年間にわたりなされた。プラスチックで製作されたCDが大量に購買され、不要な資源浪費に対する憂慮も認識している。これに対し、我々のプラットフォーム業者ではCDを除去し、QRコードを通じて音源を携帯電話にダウンロードする方法で努力している。環境に良い影響を及ぼすよう模索していると聞いている」と明らかにした。
文化体育観光部も、実態調査及び改善措置が必要だという指摘を受けた。これに対し、文体部のユ・インチョン長官は「韓国コンテンツ振興院で申告センターを運営中だ」とし、「不公正な事例を発見時には捜査依頼も可能だ」と強調した。
同日の国政監査では、振付の著作権関連問題、グッズ関連の消費者不利な払い戻し規定など、K-POP産業の全般的な不公正な慣行が集中的に点検され、各社代表は改善意志を示した。
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