パリ五輪で銀メダルを獲得した韓国の射撃男子選手が、五輪メダリストに与えられる兵役免除の恩恵を断り、満期除隊することを宣言した。
8月5日(日本時間)、フランス・シャトールーのフランス国立射撃場で行われたパリ五輪・射撃男子25mラピッドファイアピストル決勝では、韓国のチョ・ヨンジェ(25)が合計25点を記録し、2位で銀メダルを獲得した。
チョ・ヨンジェは韓国射撃史上初めて男子25mラピッドファイアピストルで五輪メダルを獲得した選手になった。
また、韓国射撃はチョ・ヨンジェの銀メダルによって、今回のパリ五輪で金メダル3個、銀メダル3個を獲得し、2012年ロンドン五輪(金メダル3個、銀メダル2個)を上回り歴代最高成績を塗り替えた。
チョ・ヨンジェは試合後、キム・イェジ(31)やパン・ヒョジン(16)、オ・イェジン(19)などチームメイトたちとともに記念撮影をしていた。
そんなチョ・ヨンジェは1999年1月15日生まれの25歳で、兵役のため昨年3月より国軍体育部隊に入隊。今年6月に兵長に進級し、来る9月19日に除隊する予定だ。
ただ今回、銀メダル獲得によって、当初より約1カ月早く除隊できる機会を得た。
韓国では成人男子に兵役義務が設けられており、世界的K-POPボーイズグループBTS(防弾少年団)のメンバーなども現在は軍隊に就いている。
だが、スポーツ選手の場合は五輪で金・銀・銅、アジア大会で金メダルを獲得すれば、「芸術・体育要員」資格を得て兵役免除の恩恵を受けることができるのだ。
ところが、チョ・ヨンジェは周囲の予想とは異なり、通常通りの満期除隊を選択した。
『news1』などの韓国メディアによると、チョ・ヨンジェは試合後、「本当に嬉しい。早く帰国して家族、親戚と一緒に肉を焼いて食べたい」と笑顔でコメント。
そして、「満期除隊する。除隊日まで1カ月近く残っている。帰国後は部隊に戻り、同期たちと時間を過ごして終えるつもりだ。同期たちと監督、関係者の方々全員に感謝している。本当に良い方々なので、部隊が全く不便ではない」と力を込めて語ったという。
チョ・ヨンジェの決定には父親の影響もあった。彼は「父は昨年まで准尉として30年勤務し、満期退役した。私も父に恥ずかしくないようにそうする」と強調した。
チョ・ヨンジェの価値ある銀メダルによって、韓国射撃はパリ五輪を見事に締めくくった。これに先立ち、パン・ヒョジンやオ・イェジン、ヤン・ジイン(21)らの金メダル獲得が負担になったはずだ。
それでも、チョ・ヨンジェは「プレッシャーもあったが、自分一人ができないからといって大きく変わらないと気楽に思った。やるべきことだけに集中して準備した。まずは決勝進出を目標にしていたが、メダルまで獲得できた」と笑顔を見せた。
今回の銀メダルは、韓国射撃の歴史に残る大きな快挙だ。韓国射撃は1960年ローマ五輪より男子25mラピッドファイアピストルに出場しているが、過去一度も表彰台に上がることができなかった。チョ・ヨンジェが長年の悲願を叶えたわけだ。
チョ・ヨンジェは「自分が初めてラピッドファイアピストルのメダルを取ることができて嬉しく、光栄だ」とし、「(ラピッドファイアピストルは)相対的にほかの射撃種目よりあまり知られておらず、人気もあまりない。でも、実際にやってみれば、本当の魅力を体験できる」と語っていた。
(記事提供=OSEN)
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