サッカー韓国代表の新指揮官に内定した蔚山(ウルサン)HD FCのホン・ミョンボ(洪明甫)監督が、昨日の試合限りで蔚山を離れることがわかった。
蔚山は7月10日、ホームの蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で光州(クァンジュ)FCとのKリーグ1(1部)第22節を戦い、0-1で敗れた。
そして、試合翌日の11日、ホン・ミョンボ監督は蔚山の選手やコーチ陣に別れの挨拶を伝えた。
蔚山は次戦、来る13日にホームでFCソウルとの第23節を戦うが、この試合ではイ・ギョンス・アシスタントコーチが監督代行を務める。
蔚山の内部事情に詳しい複数の関係者は11日、本紙『スポーツソウル』に「ホン・ミョンボ監督が選手、コーチ陣の前で最後の挨拶をした。当初はFCソウル戦まで指揮を執る予定だったが、光州戦で受けたファンの激しいブーイングなどが選手に大きな負担として作用すると考えたようだ」とし、「クラブ関係者と議論の末、光州戦を最後に去ることにした」と明らかにした。
光州戦は、韓国サッカー協会(KFA)がホン・ミョンボ監督の韓国代表新監督内定を発表した後、初めて行われた蔚山ホームでの公式戦だ。
キックオフ15分前、蔚山の公式サポーター集団「チョヨンチョンサ」は「ホン・ミョンボ、ナガ(出て行け)!」と激しい野次を飛ばした。
以前まで代表監督を務めることを固辞していながら、最近、KFAのイ・イムセン技術発展委員長兼技術総括理事の提案を受け、一転して就任を受け入れたことを、蔚山ファンは一種の“裏切り”と表現している。
チョヨンチョンサはシーズン途中にクラブを去るホン・ミョンボ監督に対し、「ピノキホン(ピノキオ+ホン・ミョンボ)」「私たちが見た監督のなかで最悪」「嘘つきラン・ミョンボ」など非難する横断幕を掲げるとともに、ブーイングを送った。
ホン・ミョンボ監督は当初、サポーターの前で挨拶する予定だったが、予想以上に激しい非難によって、ベンチに座るしかなかった。
蔚山に17年ぶりのリーグ優勝トロフィーをもたらし、昨年にはクラブ史上初の2連覇を達成した指揮官としては、申し訳ない気持ちを感じると同時に、寂しさも感じたはずだ。
結局、試合中も選手に悪影響を及ぼすことを考慮したのか、ホン・ミョンボ監督がテクニカルエリアに出て指揮することはなかった。代わりに、イ・ギョンス・アシスタントコーチやチョ・グァンス・コーチがその役割を引き受けた。
試合後、選手がサポーターの前で挨拶をする際も、ホン・ミョンボ監督は後ろに立っていた。そして、サポーターたちは指揮官に向かって再び野次を飛ばした。
当初、蔚山はFCソウル戦をホン・ミョンボ監督のラストゲームとする予定だった。しかし、指揮官自身が苦悩の末、光州戦を最後に去ることを決断した。
監督をめぐる騒動で慌ただしい蔚山は、光州戦の敗北によって順位を12チーム中3位に落とした。第22節を終えて11勝6分5敗の勝ち点39とし、1位の浦項(ポハン)スティーラーズ(勝ち点41)と2ポイント差、2位の金泉尚武(キムチョン・サンム/勝ち点40)と1ポイント差としている。
ホン・ミョンボ監督は、これ以上自身がチームの指揮を執らない方が蔚山のためになると決断した。“不快な同居”となった蔚山との関係性に終止符を打ったわけだ。この指揮官の判断を、クラブも受け入れたものと見られる。
なお、ホン・ミョンボ監督は次週にも韓国代表監督に就任し、記者会見を通じて今後の運営策について説明する予定だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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